家で仕事をしていたら「イチリ」という言葉を耳にした。
「イチリ」といえば、真っ先に思い浮かぶのは「一理」。「その話、一理ある」みたいに使う。
次に浮かぶのは「1里」。「隣町までは1里だ」ってな感じか。今ではまず使わないが。
だが、今回行き当たった「イチリ」はそのどちらでもなく、前後から判断すると「お金の単位」。
1円の下が「銭」、その下が「厘」。そうそう、「厘」よ「厘」。厘なら文脈も通る。
…と堂々と言っているが、私は今に至るまで「厘」を「り」と読んでいた。
正しい漢字を確認したくて、「イチリ」とか「リ」とかで懸命にググったが、出てくるわけがない。
そりゃそうだ。「1厘」は「イチリ」ではなく「イチリン」だから。
頭の中で意味的に「1厘」と理解したため、その音も「イチリ」と聞こえた。ずっと「イチリ」と思っていたからやむを得ないといえばそれまでだが、何とも情けない。
そう言えば、私はついこの前まで「岐路」を「ギロ」だと信じていた。
岐阜の「岐」だから「ギロ」。
これも真相を知ったとき、あまりにも恥ずかしかった。
まだまだヤマのように間違って覚えている言葉があるんだろうな。
読み方を知らないのは、書けないより恥ずかしい。
でも今や、そんなことを恥じるのは昭和世代だけかもしれない。
一文字に こもる思いに 心寄せ
鞠子