スイミングのサウナ(←正しくは乾燥室?)でいつも顔を合わせる子どもたちが何人かいるのだが、中でもとびきり人なつっこい子がいて、いろいろ話しかけてきてくれる。
少し前、大会に出たとのことで、1日、外プールにいたらこんなに日焼けをしてしまったと、トースト色になった背中の水着跡を見せてくれた。
あんまりこんがりいい色に焼けていたので、「これ、痛くない?」と言いながら、つい、人差し指で焼けたところを押してしまった。
ギョッとした。
「指が押し返された」のである。
子供の肌って、こんなに弾力性があるんだ……
それはまったくもって、新鮮な驚きだった。
ま、選手だから筋肉もしっかりしているんだろうけど、それにしても、指がはね返されるほど弾力に富むとは。
私も彼女ぐらいの年のとき、そうだったんだろうか。
そんな実感も記憶も、全くない。
もちろん、今となっては、どんなに押そうがはね返らない。
彼女は「痛くないよ」と屈託なく笑っていたが、私は日焼けより、その強い肌の力に圧倒されていた。
指先で 時の流れを 思い知る
鞠子