ダブルワーク先、超絶繁忙期で社内が殺気立っている。
今週など、「今時期、本当に悪いんだけど…」と言いながらいつもの3倍もの仕事を渡された。私の意向など無視。だけど、とてもじゃないが、拒否れる状況ではない。
女性ばかりのこの職場、とても目立つ美人がいる(←ま、好き好きあるとは思うが)。
ただし、いつもクールで対応が冷たい。
その彼女が、今日など、おでこに「冷えピタ」を貼ってパソコンに向かっていた。
まさか、インフルやコロナを押して出てきているわけではないだろう。
ただでさえ、1日中パソコンに向かう仕事。その上、ガンガン納期に追われれば、頭を冷やしていたい気持ちもよく分かる。
私が最初、勤めた職場も「納期絶対」だった。
1年のうちの一番の繁忙月など、所長(←女性)は髪を洗っている時間もなく、最後の1週間は姉さんかぶりをして髪を覆っていた。
私も、新入社員なりにあせって仕事をしていた。
…が、転職して定年まで勤めた職場は違った。
考えてみれば、そういう点では大甘だった。
期限のある仕事ももちろんあったが、これは間に合わない、となったら、他で帳尻を合わせるとか手を抜くということがいくらでもできた。
もちろん、そういうことをしたらいつまでも悔しさが残るのがイヤで私はしなかったが、それでも、最初の職場や今のダブルワーク先から比べたら、ゆるいものだった。
それと、仕事の内容が多種多様で、「一日中〇〇」という日は、基本的になかった。
楽して定年まで、働かせてもらったんだな。
「冷えピタ」を貼った美しい彼女を見ながら、なんとも申し訳ない気分になった。
それもまた 運命だったと 会社出る
鞠子