岐阜県・岐南町が全国区になってしまった。
その理由が、町長のセクハラ・パワハラだから、町民の皆さんにとっては全然ありがたくない話だろうけど。
セクハラやパワハラのことは、あっちでもこっちでも叩かれているのでそちらでどうぞ、ということにして、私は町長が言ったこの言葉が気になった。
「私らの時代は頑張った子、あるいはよくできた子は頭をなでてもらった経緯がある。みなさんは若いから分からないと思うが、そういうつもりでやったのが大きな間違いだった」
私自身、還暦を過ぎたころから、特に自分に言い聞かせるようになった。
「あの頃はこうだった」「私らの時代はこうやった」は決して口にしてはならない、と。
例えば、私が就職した時代、FAXですら「文明の利器」扱いだったのである。
職場内にパソコンなんてなかったし、携帯電話も誰一人持っていなかった。
だが、その時代の方が職場内でも客様との関係でも、コミュニケーションの機会はもっと多く、もっと豊かだった。
…が、だからといって「あの頃はそうだった」と言っても、今となっては何の意味もない。
「あの頃」はそうだったかもしれないが、今は「あの頃」ではなく、「あの頃」に戻ることは決してできないからだ。
その上、「若いから分からないと思うが」も全く意味がない。
「分からない」のが現実であり、それを言ったところで何の弁解にもならない。
皮肉な話だが、岐南町の一件で、「あの頃は」発言をしないこと、改めて肝に銘じた。
「あの頃」は 刻一刻と 流れゆく
鞠子