小澤征爾さんが亡くなった。
私は、テレビでしか小澤さんを知らない。
私の地元にもいらしたことがあるのだが、その頃の私は母の介護と自身の病気で全然余裕がなかった。
小澤さんが亡くなったことを記した新聞記事にあったこんなエピソード。
練習中、若手奏者が小澤さんに「私の解釈は、先生の指示と少し違います」と言ったら、小澤さん曰く「あ、そう。じゃあ明日までにもう一度考えてくるわ」と。
小澤さんに意見した奏者もすごいが、逆に考えれば、小澤さん自体に「そういうことが言える雰囲気もあった」のではないか。
そして、「じゃあもう一度考えてみる」と言う小澤さん、なんと器が大きいことか。
実際、それで小澤さんが解釈を変えたかどうかは分からないが、そんなことより再考してみると言えることそのものがすごい。
こういう方がつくりだす音はどんなだったんだろう。
ナマで聴かなかったことが、ますます惜しくてならなくなった。
今さら遅いが、本当に残念だ。
涙する G線上の アリア聞く
鞠子