家で仕事をしていたら、誰かがドアホンを押した。
一瞬、無視しようかと思ったが、つい、応対してしまった。
相手は「T新聞の者です」と名乗った。そして「新聞、取ってみえますか」と尋ねてきた。
今年の春まで、わが家はこのT新聞とG新聞の2紙、取っていた。
仕事上、結構有用だったのである。
だが、定年退職とともに節約のためT新聞の購読をやめた。G新聞は、小・中学校の同級生が経営している販売店だし、購読料もG新聞の方が若干安いため、T新聞の方を切ったのである。
今回やってきた勧誘員が、「うちは春までT新聞を取っていた」ことを知っているのか知らないのかわからないが、いずれにしても今どき、新聞の勧誘は超々ムズいだろうと思うとなんだか気の毒でならなかった。
きっと、「1軒成約したらいくら」みたいな報酬なんだろう、と思うし。
最近、新聞配達のバイクの音でときどき目覚めたりする。
だいたい夜中の3時半か4時。そのバイクは、わが家のポストに新聞を落とすと走り去る。バイク音を聞いている限り、うちの班で新聞をとっているのは「我が家のみ」だ。
一時期、購読料が振替られるとゴミ袋とかタオルとか、粗品がポストインされていたが、あるときから全く配られなくなった。ところが、先月、先々月と、ゴミ袋が入っていた。それも、何年前かにもらっていたものと全く同じ装丁。
もしかしたら、G新聞も廃業を考えていて、在庫となっているゴミ袋をばらまき出したのではないか、と思えてならなくなった。
それも、今となっては少ない購読家に向けて。
新聞って、この先いったいどうなるのだろう。
折込も ページの数も 減るばかり
鞠子