昨日は、朝刊でミノケンを見つけて感慨深かったのだが、そういえばついこの前も、別パターンの感慨深い「再会」があった。
やっぱり朝刊で見つけた。
昨日のミノケンと違い大きな写真が載っていて、それもソファに座った状態でほぼ全身が写っていた。だが、写真を見てもなんとも思わなかったのである。
横に記されていた名前を見なかったら、100%スルーしていた。
写真より、名前にびっくりしたのだ。
あんまりない名字と名前。
その名前から、瞬時にトメキチを思い出した。トメキチしかありえない。
だが、載っている写真は、どう見てもトメキチには見えなかった。
トメキチとは、幼稚園と小学校が一緒だった。
私は4年生のとき転校したのだが、高校でまた一緒になった。
濃い目の顔立ちでワイルドな風貌。だが写真のトメキチは、全く違う穏やかで紳士の顔つきになっていた。
そしてその記事には、超有名な金融機関のトップに就任した旨、載っていた。
長い間の海外勤務を経てからの抜擢らしい。
彼、高校時代、英語をめっちゃ勉強していた。その理由が「洋楽が好きで、その歌詞の意味を知りたいから」。ほとんど「趣味」の如く、いつも楽し気に勉強していた。
ミノケンといいトメキチといい、別に出世しているからどうこうというわけではない。
あの頃、同じ校舎でわちゃわちゃやっていた友たちはみな、以降、全く違う道を、それも私には全く想像できない努力を積み重ねながら歩んでいることを痛感するのみだ。
それに比べて、私は本当に大した苦労もなく、無難な道を歩んできたな、と。
そして、
もう人生、引き返せず、やり直せず、これまでの年月よりゴールまでの年月のほうが短いことをつくづくと思い知る。
あの頃の 私は今を 許さない
鞠子