久しぶりに、うんざりするような本を読んだ。
あんまりうんざりして罵詈雑言を並べそうだから、作者名も作品名も書かないことにする。
Amazonでのカスタマーレビューは割と評価が高かったし、何とか文学賞をとっている作品だし、何より私はこの作家・S氏と直接会ったことがあって、めっちゃカッコいい人だったので、自伝的小説らしきこの本、ついミーハーのノリ半分で購入してしまったのだが……
「異端がどうしたこうした」みたくな題名からして、ま、普通じゃないだろうな、とは予想していた。
だが、結局、読めば読むほど「モテ自慢」そして「能力自慢」に思えてしまって、鼻につきだした。
太宰の『人間失格』なんかも、自伝っぽいし、モテ自慢、能力自慢に思えなくはない。
だが、『人間失格』はうんざりしないのはなぜか(←なかにはする人もいるのだろうが)。
それはやっぱり、太宰の文章が「プロ作家の文章だから」であり、作品が「プロの作品だから」だと思う。
だから、いろんな角度から読者の胸を突く。
あくまでも自伝的「小説」なんだから、盛ったり創作したり削ったりしても何の問題もない。
だがS氏のこれは、ほぼ事実を書いているのだろうなと思うし、第三者が書いている風な凝った語り口にはなっているが、これまでの半生を「羅列しているだけ」に思える。
つまり、見せびらかし。
これでカネを取る?
ま、取られた私が悪いんだけど。
カスタマーレビューで星5つつけている人もいるわけだから、これは個人の感覚で仕方ないし。
でもなあ、本代800円と読書に当てた時間、損した気分。
ええ、ええ、本代のもとだけは取ろうと思って、うんざりしながら最後まで読んだわよっ!(←ほとんど怒り狂っている)。
つまらない つまらぬ本に 散財す
鞠子