朝刊の「あなたの健康に関する悩みに答えます」みたいな記事に、隣県の大きな私立病院の副院長が回答を寄せていた。
楕円形に切り取られた顔写真が載っている。
あ? もしかしてもしかして?
名前を確認したら、本当にもしかしての彼、ミノケンだった。
小・中・高と同じ学校だった彼のことを、懐かしく思い出した。
ミノケンのお母さん。
大柄でとっても大らかなお母さんは、ケラケラ笑いながらいつも「全くうちのは…本当にオッサンみたいな顔をした横着な坊主」と言っていた。
そのお母さんこそ、彼と瓜二つ。つまり「オッサンみたい」と言えば言うほど、自分も「オッサン顔だ」と言っているわけで、それを聞くたびおもしろくてならなかった。
新聞に載っていた彼は、そのオッサン顔のまま、年をとっていた。
今、あのお母さんも、ミノケンと同じ顔のまま年を取っているだろうか。
いや、年齢から言ったら、もう亡くなっているかもしれないな。
すごく懐の大きそうなさばさばしたお母さんで、私は大好きだった。
ミノケンも、勉強して医師になり、私には想像できないような苦労&努力を重ね、今の位置にあるのだろうと思う。
本当に懐かしい。
と同時に、本当に長い年月が経ったのだとつくづく思い、なんだかさびしい思いもあふれてきた。
あの頃の 私は今を 笑い泣く
鞠子