実は昨日は、嫌な嫌な健康診断だった。
嫌なんだけど、今年は還暦という節目の年だし、いちお定年退職して第一線から引いたたわけなので、付加検診分自腹で、例年より厚く検査をしてもらった。
この検診のあとで映画館に行き、「海と毒薬」を観たのである。
そして、1日経った今になって思う。
採血する。細胞を取る。レントゲンを撮る。肩にブスコパンを打つ。バリウムを飲むetc.etc.
嫌だという以前に、これらを行う医療従事者を、私は全く疑っていない。
だが、彼ら・彼女ら、その気になれば私の命などいとも簡単に操作できるのである。
あのバリウムの中に毒が入っていたら、私は死んでいた。
「海と毒薬」で生体解剖された若い米兵ですら、収容所に入る前の身体検査と言われ、医療者をつゆほども疑っていなかった。
医療従事者だけでなく、電車やタクシーの運転士だって、コンビニの惣菜を作っている工場の人だって、私は「会ったことも見たこともない他人に、平気で命を預けている」ということになる。
無意識のうちに、人の職業意識や性善を信じきってしまっている。
「海と毒薬」を観たのが健康診断後でよかった。
先に観てたら、検査の一つ一つが疑わしく思えてならなかったかも。
血圧なんか、大幅上昇で···
そうそう、その血圧よ。
ここのところ家庭血圧絶好調。でも、家でだけかもしれぬと思い、自動血圧計を見つけるたびに測定していたのだが、やっぱしめっちゃいい数字が出る。
なので、健康診断でも、意気揚々と血圧測定に挑んだのだが、結果は「去年と全く変わっておらず、高かった」。
がっかりした。
練習ではいい成績なのに、本番になると力が出ないスポーツ選手と同じ落胆をかみしめている。
目の前の コップにある水 「水」なのか
鞠子