夕べ、『赤い霊柩車39/ファイナル』を観た。
これまで数々の二時間サスペンスドラマを観てきたが、『赤い霊柩車』シリーズは、結構好きな部類だった。
何といっても、大人かわいい石原明子(←片平なぎささん)と黒沢春彦(←神田正輝さん)の、「結婚しない遠距離恋愛の恋人」関係が、すごくいい感じで好きだった。
明子さんが葬儀社の社長という設定も、葬祭一級ディレクターの肩書が得意でたまらない石原葬儀社の秋山さん(←大村崑さん)も面白かったし。
でもこれがファイナルになるらしい。
残念だけど、夕べ観て、これはもう仕方ないな、と思った。
秋子と春彦の年齢からして、遠距離恋愛の恋人状態はもはやムリ。特に春彦さんは、「孫、います」でも十分な年齢に見て取れた(←実年齢はその通りだけど)。
それよりもっとショックだったのは、「狩矢警部」だった。
演じるのは若林豪さん。だが、最初、観たとき若林豪さんには見えず、「この俳優、誰?」と思ってしまった。
見たことのない俳優さん。しかしこの役、若林豪さんじゃなきゃダメでしょう…と思いながらキャストを確認したら、やっぱり若林豪さんだった。
『赤い霊柩車』に登場する狩矢警部は、ダンディで渋くなければならない。
だけど、年齢以上にやつれた姿、出ない声がとにかく痛々しくてならなかった。
シリーズ化されて何度も放映された作品ほどキャストを変更するのは難しい。
『浅見光彦』シリーズなど、毎回「似たようなタイプ』の俳優さんが選ばれている。
『十津川警部』シリーズは、どなたも実力派の俳優さんだが、だからこそ、観る側は前の回のイメージが払しょくできない。
似たような路線で行くにしてもがらりと変えるにしても、それぞれ一長一短ある。
若林さんだけでなく、出演していた松下由樹さんの体型、羽場裕一さんの白髪も同様にショックだった。
俳優さんは外見を保つのに時間もお金もかけているだろうに、それでもこうなるのだ。
若林さんは、大病を患われたとのことなのでなおさらかもしれないが、「老化は誰にも平等にやってくる」ことを目の当たりにした思いだった。
『赤い霊柩車』、今回がファイナルなのも、大いに正解なのかもしれない。
右ほおの シミに指先 あててみる
鞠子