母の納骨堂にお参りした帰り、昼食のために入った喫茶店のBGMが「懐かしの昭和歌謡」ばっかり流れていた。
歌詞を覚えているからヤなんだよなあ。
幼稚園・小学校・中学校・高校 …… 確かにいつも周囲は歌謡曲があふれていた。
なかでも、今日、耳にして衝撃的だったのが『恋の奴隷』。
・・・・・・・・・
あなたと逢ったその日から
恋の奴隷になりました
あなたの膝にからみつく子犬のように
だからいつもそばにおいてね
邪魔しないから
悪い時はどうぞぶってね
あなた好みのあなた好みの女になりたい
あなたを知ったその日から
恋の奴隷になりました
右と言われりゃ右向いてとても幸せ
影のようについてゆくわ
気にしないでね
好きな時に思い出してね
あなた好みのあなた好みの女になりたい
あなたにだけに言われたいの可愛い奴と
好きなように私をかえて
あなた好みのあなた好みの女になりたい
・・・・・・・・・
ダメだろう、この歌詞。
いわゆる「DV」じゃん。
今ならしかるべきところからクレームが入ってきそう。
だけどこの曲が流行ってた時分、恋愛における男と女は、これが「一般的な型」だったんだろうなあ。
そのころ私は幼稚園児だったか小学校低学年だったか。
恋愛のレの字もわかっていなかったが、歌ってた奥村チヨさんが「なんだかただ者ではない」ことはうすうす感づいていた。
小さな顔に大胆なつけまつげ。コケティッシュな、というか、小悪魔、というか。
もちろん、そんな言葉自体も知らなかったが、机の上に乗って、お箸をマイクに思いっきり真似して歌ってたことをまざまざと思いだした。
海千山千超えたから、今ならもっと奥村チヨになりきって、うまく歌う自信あるけど。
西日浴び 歌い続けた 恋の歌
鞠子