何を報連相したらいいのかわからないオトコ後輩のせいで、さらに大きな問題に発展し、とうとう私が激おこぷんぷん丸と化したその顛末。
現在の取引口座の名義とは似ても似つかぬ社名が名義となっている預金口座振替依頼書を送ってきたN社。
気になって、オトコ後輩に「変更するのは口座だけ? 客様データベースに登録されている社名は変更しなくていいの?」と尋ねたら、彼は「社名変更は聞いてません」と断言した。
それを聞き、私は、N社はいくつかの子会社を持っているので、会計処理上の理由で口座を変えるんだなと思い込んだ。
ところが昨日、うちの客様だけが利用できるサイトを見たら、N社の社名が変わっているのを発見。
新社名は、まさしく送られてきた預金口座振替依頼書の名義と一致していた。
これはまずい。
私は、職場のパソコンで全客様分のデータベースを管理して定期的にこのサイトにアップし、常に最新の状態になるようにしている。
つまり、客様がいくら自分で社名を変更しても、うちにあるデータベースを修正しない限り、次回アップしたときに上書きされ、元の社名に戻ってしまうということだ。
即、N社に電話して、社名変更の手続きをした方がいいのかどうか、客様に確認した。
すると客様から、怪訝そうな口ぶりで衝撃の答えが返ってきた。
「10月から社名変更してくれるよう、彼(←オトコ後輩)に言っといたんだけど……」
オトコ後輩を追及したら、
「僕、そんなこと、聞いてません」
客様が勘違いしているのか、オトコ後輩が聞いたけど忘れたのか、どっちが真実かはわからない。
だけどどうにも、オトコ後輩を疑わざるをえない。
なぜなら、この手の「聞いてません」事例が頻発しているからだ。
客様は「言った」と言うが、オトコ後輩は「聞いてない」と言う。あるいはオトコ後輩は「伝えた」と言うが、客様は「聞いてない」という。それも、当事者である客様は、どの人もそういう勘違いをしそうにない人ばかり。おまけに悪いのは、そういうトラブルがあったことを「客様から聞かされる」ことだ。本人は、一切報告してこない。
実は、私との間でも同じ問題があった。
彼は私に「言った」と言う。だけど私は「聞いていない」。私の勘違いではない。その現場には別の後輩もいて、やっぱり「聞いてない」からだ。
激おこぷんぷん丸と化したものの、ものすごく不安になってきた。
うっかりやっちゃいました、なら、よくはないがやむを得ない側面もある。
ミスを隠蔽しようとするあまり、すぐばれるようなウソを言い張っている、なら、ますますよくはないが、理屈はわかる。
だけど、彼の返答を聞いていると、本当に「聞いてない」し本当に「伝えた」ようなのだ。
となると、もう、病的な何かが絡んでいるとしか思えなくなってくる。
N社の社長には、「連絡不徹底ですみませんでした」と謝って事なきを得たが、このままいくと、取り返しのつかないトラブルが起きるのでないかと頭が痛い。かといって、「一度、診てもらった方がいいのではないか」とも言えず、悶々としている。
信頼が 不信に変わる その一瞬
鞠子