ギャンギャン声 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

昨日、病院に定期検査に行き、待合スペースで待っていたときのこと。

そのフロアの受付に初老の夫婦がやってきて、来るなり奥さんがなにやらギャンギャン言い始めた。

私が座っている席からは二人の背中しか見えないのだが、その後ろ姿はこざっぱりしていかにも上品なご夫婦。ところが奥さんがそのいでたちに全く似合わぬ甲高い声で、畳みかけるように受付スタッフを何やら質問攻めにしている。

あまりのギャンギャン声&しゃべりのリズムが耳に障る。

受付スタッフの手には負えない質問の内容だったのか、ほどなくしてピンクの看護士ユニフォームを身に着けた女性がやってきて夫婦を長いすに誘導、自分が真ん中に座る形で3人、着席した。

 

正面から見た。やっぱり見た目はとっても上品なご夫婦だった。

しかし、奥さんのギャンギャン声がとにかくひどい。一方のご主人は、ボーっとしたまま一言も発しない。

初めは看護師が何を問うているのかわからなかったのだが、ギャン声に対抗し、看護師の声も次第に大きくなってきた。

 

看「今、どんなお薬、飲んでますか」(←と、ご主人に問うた)

夫「えーっと、ビタミンC? ビタミンK? えっと、ビタミン……」

妻「この人、認知症で病院にかかっていて、そこでビタミンウンヌンカンヌン ギャンギャンギャンギャン」

夫「あ?認知症?フッ」(←馬鹿にしたようなため息)

看(明らかにご主人に向かって→)「お薬手帳、お持ちじゃないですか」

夫「えーっと、お薬手帳は……」

妻「お薬手帳は、机の上に置いたまま忘れてきてギャンギャンギャンギャン」

看(半ばあきらめたかの如く、二人に向かって→)「お薬はどんな形で、どのくらいの量を……」

妻(看護士の話を奪い取って→)「この人、アル中で……」

夫「は?アル中? …んなこと。フッ」(←降参したようなため息)

 

聞いているうちにイライラしてきた。

イライラしつつ、考えてしまった。

このご主人は、病気でさっと言葉が出てこないのかもしれない。あるいはもともと口数が非常に少ないタチなのかもしれない。妻の言うように、認知症なのかもアル中なのかもしれない。しかしいずれにせよ、四六時中、この奥さんのように矢継ぎ早にまくし立てられたら、誰でも話せなくなってしまうような気がしてならない。

ある意味、「毎日拷問」だ。

奥さんは、人の話を最後まで聞くということが全くできない。極端に言ってしまえば、会話はできないという一種の「障害」なのではないか。だとしたら、ご主人が病気になった一因は、この奥さんにあるのではないか。

 

看護師さんもギブアップ寸前に見て取れた。

今も、あのギャンギャン声が耳について離れない。

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと 聞いてくれれば 救われる

鞠子

 

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