「安倍元首相は生きています。あの銃撃は茶番です」なる説がネット上に挙がっていることを知った。
映像を出しつつ、この説を裏付けるような理由もまことしやかに説明してある。
読んでみれば「一理ある」。といって、もちろん、全面的に信じるつもりもない。
そういえば、新型コロナのワクチンも「毒」だの「マイクロチップがしかけられている」だの、種々雑多な情報があふれかえっていた。
で、真実は何なのか。
かつて、オウム真理教事件で世の中が大騒ぎだったころ。
坂本弁護士が殺害されたと新聞やテレビから得た情報をあれこれ持ち出し、客様Y氏相手にまくし立てていたら、Y氏はぼそっと言い放った。
「…で、鞠ちゃん、坂本弁護士の遺体、実際に見たんか?」と。
衝撃的だった。
確かに、見てない。坂本弁護士が亡くなったかどうか、私の目で見たわけではない。
それまで、そんなふうに考えたことは一度もなかった。マスコミが流す情報を、疑ってかかるなんて思ったこともなかった。だが、情報を「操作する」ことは可能であり、手にした情報が正しいとは限らない ―― 言われてみれば、当たり前のことだ。
Y氏の痛烈な一言以来、私のものの見方は変わった。
安倍元首相も坂本弁護士も、今、生きてらっしゃるのかそうでないのか。
ワクチン接種は陰謀なのかそうでないのか。
答えはYESかNOかのどちらかだ。
でも、私にはわからない。自分の目で見て確かめることができない以上、永久にわからない。
だから、情報を精査して、自分で考え、その都度、自分で結論づけるしかない、と思っている。
自分の目 それすらときに 怪しげに
鞠子