朝刊の折り込みチラシに、
「私のお葬式ー感動体験」
なるテーマが大書きされていたので、てっきり「生前葬」のことかと思った。
読んだら、違っていた。
義母の葬儀だった。
となると「感動体験」だから、「お義母さん、やっといなくなった。超感動」···などと意地悪なお嫁さんを想像するのは、私ぐらいのものかもしれない。
もちろん、そうではない。家族葬向け葬儀会場しかり、葬儀屋スタッフしかり、その心のこもった対応に「感動した」体験談だった。
わかってしまえば何のことはないが、「私のお葬式」も「感動体験」も、表現としてなんとなく腑に落ちない。
さらにこのテーマ、副テーマとして、
「最期の想い出が、最高の想い出になる」
とある。
最高の想い出?
ますます腑に落ちない。
「感動」も「最高」も、「葬」の場面には似合わない。もっと言えば、「禁句」なのではないか。
広告主の葬儀屋さんがアピールしたいことは、よくわかるものの。
だから、私ならシンプルに、例えばこうするな。
「お義母さんありがとうー家族みんなで最期の想い出を」
···非難した割には、たいしたことないか。
送る人 哀あれ喜あれ ときに怒も
鞠子