20代のころから使い続けてきた化粧品メーカーFから、ちょっとずつ「浮気」をするようになった。
メーカーFに対し嫌なことがあったわけではないが、浮気をしている理由はただ一つ「商品が増えすぎたから」。
ことのおこりは数年前、「エイジングケア」をうたったシリーズが新発売されたことだ。年齢層に合致する上得意様・鞠子にも、速攻、割引クーポン付の案内はがきが送られてきた。
で、それを持ってFショップに行ったら、スタッフ曰く「鞠子様が現在使っておられるシリーズの方が格段にいいですから」。だから、今、使用しているものを使い続けろ、ということなのだが、この対応になんだかすごく違和感、あったのだ。
新しい商品が出、それが私くらいの年齢を狙った商品だというなら、私も変えた方がいいのではないか。そもそも今、使用しているものがベストなら、それ以外の商品を出す意味がどこにあるのか。
メーカーFは、新しい商品を次から次へと出してくる。結果、何を選んだらいいのかわからない。スタッフに聞いても「今のままでいい」。だから、もう面倒くさくなる。「クレンジングはこれのみ・化粧水はこれのみ」というメーカーの方が、安心して使えてしまう。
今朝もNHKの『あさイチ』で、ハンドクリームの特集をしていたのだが、冒頭、ずらりと並んだドラッグストアのコーナーが映しだされた。これも商品数が多い。ついこの前、私もドラッグストアで試供品をつけまくり(←コロナ禍、これはよくない)、あまり安いものは効果ないだろうと思い、かといって高価すぎるものはけちって使いそうでダメだ、と思い、迷いに迷った。メーカーも競争だから、いろんな商品を出してくるのは仕方がないのだろうが、消費者のなかには「これしかない、なら楽なのに」と思い、「ああ、めんどうくさい。買うの、やめよう」と思ったりする人もきっといる。
化粧品だけではない。食品も、洋服も、電化製品も、家も、スポーツクラブも、スーパーもモールも、ありとあらゆるもの、種類が多すぎるて疲れる。
選択肢は多ければ多いほどいい……というのは、私みたいなズボラ系には間違いなく向かないのだ。
迷うのも 若さゆえだと 悟る今
鞠子