テレビをつけたら、尾身先生がりんたろーなる若い男性と対談している映像が映った。
そのりんたろーさん、私は知らない人だったが、芸人さんかタレントさんか、著名な人らしい。指ごとに違う色のマニュキアをしているのがとても印象的だった。
途中から見たので内容はよくわからないが、とりあえずテーマは「コロナ」。尾身先生は「若い人にメッセージが届かない」ことを大きな問題としてとらえている、とのこと。それを「若者が悪い」という言い方ではなく、「ことごどく失敗してきた」と自身の非としてお話しになった。りんだろーさん曰く、「政府は若い人の意見を聞かない(←たぶん、お酒の販売中止や路上飲み禁止のことを言っているのだと思う)。僕らは有権者として認められていないのかと思った」。それに対し、尾身先生は、「なるほど。認められていない、と思っているわけですね」みたく、復唱して大きくうなずいた。
以降、尾身先生の対応は、相手に対し一定の敬意を払いながら、相手の意見を聞くというスタンスで一貫していた。
研究者(←その世界では多大な功績を残している)と若い芸能人、なのである。だが、この対談は、対等な人間対人間だった。だから、りんたろーさんも、とても正直に、赤裸々に語っていた
尾身先生に対してはいろんな批判もあるし、私自身、「今一つ頼りない」思いで見ていたけれど、その傾聴の姿はとても素敵だった。アクリルパーテーション越しでノーマスの対談だったが、ところどころで見せる笑顔もまたなんとも優しかった
この前、ネット上に出ていたインタビュー記事といい、今回の対談といい、尾身先生の器の大きさを認めないわけにはいかなかった。
最後、対談を通して感じたことをお互いフリップに書いた。
尾身先生は「若い人達と話す喜び」と書いた。そして「同じ人たちとばかり話していては、思考が凝り固まる」、と。
尾身先生、私たちを見捨てず、なんとしても頑張ってください。
うなずいて笑顔で再びうなずいて
鞠子