今、整形外科で処方してもらった漢方薬を常用している。
色は同じだが粒の大きさが違う2種類の薬が調合してある。その片方は、片栗粉みたいな超微粒子状態になっている。
一包の角を少し破って、舌上、苦味を感じなさそうな部分に薬をのせるのだが、この「片栗粉タイプ」の薬剤だけが、どうしても薬包紙の隅に残ってしまう。薬が舌の上で動かないよう、細心の注意を払って天を向き、薬包紙の隅やら辺やらをトントン叩いて薬剤すべて舌に乗せようとするのだが、これがなかなか至難の業なのだ。
今日も台所でそんな悪戦苦闘をした挙句、水を一気飲みする直前になって、「薬包紙の破り取った角部分」が手にないことに気がついた。
右手の親指と人差し指で破り、つまんだまま悪戦苦闘していたはずなのだ。それがない、ということは、どこかに落ちた、ということだ。
床ならいいが口中だったらどうするよ…
舌に薬をのっけたまま、絶対口中の天井に舌が触れないよう口中の容積max状態にして、薬包紙を見た。今日に限って破り取ったのはほんのちょっぴり。かけらは舌上、薬にまぎれている可能性大アリだ。だがしかし、それを確認するためには、舌を口外に出さねばならない。となると、薬の大部分は落ちてパアになり、かつ、残りが口中に拡がって、強烈な苦みを味わわねばならない。
「口中にはないと仮定して飲み込む」か「口中にあると仮定して吐き出す」か。
1回分、薬を捨てるのは余りに忍びない。だが、ポリプロピレン製と思われる薬包紙のかけらを飲みこんだら、それこそ海中のプラスチックゴミを飲み込んでのたうちまわる海の生き物のようなことになるやもしれぬ。
さあ、どうする、選択肢は2に1つしかない……
と迷っている間に、口中じゅう苦味地獄と化してきて、結局、欲が勝った私は賭けに出て、コップの水を一気に流し込んだ。
ケチったばっかりに、かけらが食道にささったら…… 胃壁に穴を開けたら…… 後悔しきりだったが、シンクの中にきらっと反射したかけらを見つけ、安堵感がどっと疲れに変化した。
あのねえ、飲むのに手間がかかる薬ってわかってるんだから、薬包紙を破ったらそのかけらは「下に置け」ってんだ(`Δ´)。
そんなこと、子どもだってわかる話だ。
「服用後、かけらを拾い上げるという動作をせずに済まそう」というなまけ心があるから、こんなことになるってんだ(`Δ´)
諸事、一から学び直せ! 人間一生勉強だ!
金欲と怠け心が首絞める
鞠子