ナミダのクッキングNo.2907 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

 [そこはかとなくナミダな4つの情景]

 

(1)けなげなベゴニア

葬儀場にある駐車場の排水口から頭を出し、花を咲かせていた。

付近にベゴニアは全く見つからない。

ベゴニアは確かに強い。我が家も、「見切品30円」のベゴニア4苗分が植わっているが、今も生き生きしている。

それどころか、この前の台風でごっそり持っていかれた1苗など、も一度植え直したら、前より生き生きしだした。

他の3苗より、若干小さいけれども。

 

(2)お前、邪魔だし

木が先だったのか、標識が先だったのかは知らない。

いずれにせよ、こうなってしまえば木はこう思っているに違いない。

「標識よ、お前、邪魔だし」

もうしばらくすれば標識は全く意味をなさなくなり、そのとき私たちニンゲンはこう思うに違いない。

「木よ、お前、邪魔だし」

 

(3)志賀直哉『菜の花と小娘』の世界

「雲雀の胸毛に着いて来た種が此処で零れたのよ。困るわ」

雑草の中にある一本だけの菜の花は、小娘に向かってそう言った――のは、志賀直哉の『菜の花と小娘』。

このエノコログサはどう言うだろう。

よりにもよってこんな絶壁に。

「困るわ」とは言わないだろうな。ゆうゆうと、右往左往している愚かな人間たちを高見の見物。

雑草だからとて、決して抜かれる恐れのない安心。その一方で、ときどき寂寥。

 

(4)プライド

まるでドブ川だが、ここ、かなりの魚が泳いでいるのである。

一匹狼ならぬ一匹サギ(←サギだよね、この鳥。本当はよくわかっていないんだけど)。

食事に来たのではなかろうか、と思うのだが、私がスマホを向けている間中、この姿勢を決して崩そうとはしなかった。

武士は食わねど高楊枝、なのか、サギのプライドなのか。

どんな思いで何を見つめているのか、ニンゲンの私にはわからない。