テレビのワイドショーで、有名ファッション通販サイトの有名元社長が側近を募集しているという話題を知った。 年収1000万円、実力次第でもっと高額になるのだそうだ。
その通販サイト、利用したことがないので、何がいいのか、なぜ利用者が多いのか全然わからないが、ここまで大きくしたからには、相当な努力・行動・知恵・運・スタッフetc.etc.、要因があったに違いない。
…とは思うが…
この元社長、果たして今、幸せだろうか。
高級車、芸能人の彼女、プライベートジェット、高級マンション、宇宙旅行。
巨万の富をお持ちでも、テレビで見たこの人は、決して幸せそうには見えなかった。
満面の笑みではあったが、その裏側に寂しさを懸命に隠しているように思えてならなかった。
お金でしか人を動かせない。物事を進められない。
芥川龍之介『杜子春』の言葉を思い出す。
「何、贅沢に飽きたのじゃありません。人間というものに愛想がつきたのです」
「人間は皆薄情です。私が大金持になった時には、世辞も追従もしますけれど、一旦貧乏になって御覧なさい。柔しい顔さえもして見せはしません。そんなことを考えると、たといもう一度大金持になった所が、何にもならないような気がするのです」