【多くを語らなくてもわかる:3題】
その1:「三菱電機 また新入社員自殺」
昨日の朝刊の見出しにあった。
「また」…このひらがな2つで、状況がよくわかった。
わかりすぎるくらいわかった。
会社側にも言い分はあろうが、「また」からは「絶対、このままやりすごしてはだめだ」という警告すら伝わってくる。
その2:「あの男は日本中の女がみんな自分に惚れなくっちゃならないような顔つきをしているじゃないか」
これ、私的には「2019年流行語(文?)大賞」にしたいほどのヒットだった。
夏目漱石『明暗』の中で、結婚前にお延の叔父が、夫になる男・津田を評して言った言葉。
もうこれだけで、津田という男がそれこそ「透けて見える」ほど見えた。
これ以上の説明不要。
その3:岸田劉生『麗子肖像(五歳之像)』
岸田劉生と言えば、お顔がやたらと横に平たく、一見愛らしく、一見、モナ・リザみたく、一見不気味な『麗子像』しか知らなかったが、この絵を見て、ものすごく感動した。

100人いたら100通りの顔立ちがあるが、この表情は1通り。どの子にも必ずこの表情がある。
何も考えずともよい。
この絵に会うためだけに、来年、隣県で行われる岸田劉生展に行くことに決めた。