おせっかいして、某知り合いに、パソコンでちょっとした書類をつくってあげた。
10×10の表が挿入され、添え書きが1行入っているだけのもの。
この方、携帯もスマホも持ったことのない人生をおくっていらっしゃる。だから、その人にとって「やってあげたら大変助かるだろう」と思ったのだ。実際、「私がつくりましょうか」と申し出たとき、非常に感謝してくれたのだ。
しかし…
そのお返しに、今朝、小さな紙袋を持ってきた。
お返しをいただくほどのことでは全然ない、と思ったが、出勤前の慌ただしい時間帯、半分だけメイクした状態だったこともあり、そこそこお礼を言って受け取ってしまった。
受け取ったとき、「小さな紙袋なのに、妙な重さがあるな」とちらり思った。
リンゴが1個、入っているのではないか、と予想したのだが…
夜、家に帰ってからその紙袋を開け、びっくり仰天してしまった。
紙袋の中には、プチプチのビニールに丁寧に包まれたガラスのグラスが一つ、入っていた。
喫茶店に行くと最初に出てくる水が入ったグラスみたいな、何の変哲もない形状の厚手のガラス製。
ところがこれ、どう見ても「中古」なのだ。
家で使っていたのではないかと思われる。それどころか、「何か飲んだ後で洗っていない」ようなシミが底にへばりついていて、思わず放り出してしまった。
これはもしかして、「いやがらせ」なのではないか。
私はとっても行きすぎた行為をして、傷つけたのではあるまいか。
いや、何もお返しするものがないからせめてこれを…という究極の感謝なのだろうか。
この人の心理はわからない。
もちろん、聞くことなどできない。
つくづく「人の怖さ」を感じた。
そのグラス、厳重に新聞紙に包み、中の見えないビニール袋に入れた。
家のゴミ収集に出すのは怖いので、来週職場で捨てようと思っている。
好意だとしたらとても申し訳なく、ひどい仕打ちなのだが。