「金田一先生の日本語塾~言葉の妙」というテーマの講演会に行った。
さて、質疑応答のとき、こんな質問が…
「最近、『○○してあげる』という言い方をしょっちゅう耳にするのですが、おかしくないですか?」
つまり、
「娘にピアノを習わせてあげたい」
これは、
「娘にピアノを習わせたい」
とすべきではないか、とおっしゃるのだ。
この用法にイラつく人がいるなんて、全くオドロキだった。
だってまず、「習わせてあげたい」と「習わせたい」では「親or娘、それぞれの気持ちが全く違う」でしょう。
前者は、「娘自身が習いたいと思っている」ことが前提になっている。(←と、親が思い込んでいる場合も含め)
一方後者は、一方的な親の命令に近い。
さらに、
前者の場合、「娘がピアノを習うのは、難しい経済状況にある家庭」までちらっと想像できる。
この質問をした女性、もしかしたら親の愛情にあんまり恵まれなかったのではないかと深読みしてしまった。
ところで肝心の講演だけど…
いくつも「なぁるほど」とうなずける点があったのだが、講師が「○○じゃないですか」という語尾を乱発するのが耳にさわって仕方がなかった。
ね、このよなテーマの話を聴こうという人は、日本語に対して小うるさい人ばかりじゃないですか。
ええ、もちろん私も含めてそうじゃないですか。
全く笑えるじゃないですか、ねえ。
え?講師は誰かって?
テーマから想像すれば、わかるじゃないですか。
…ちなみに私は、普段「○○じゃないですか」という語尾は使いませんから。