本日の映画鑑賞は『華の乱』。
監督:深作欣二。昭和63年の作品。
与謝野晶子の人生を軸に、大正時代の歌人・革命家・作家が続々登場する。
それもソウソウたる女優ばかりが演じている。
よって、とにかく「わぁ、なんてきれい」「すごくきれい」「とにかくきれい」とため息の連続なのだ。

だが、それが逆に残念でならなかった。

特に、与謝野晶子を吉永小百合が演じることが、初めから終わりまで納得できなかった。
恋に生き、歌に生きる激情・力強さが、きれいすぎるがために感じられなかった。
ラヴシーンも、なんか痛々しく見えてしまうほど。
与謝野晶子は、もっともっと泥臭い女優さんの方がいい。
むしろ、波多野秋子を演じた池上季実子や伊藤野枝を演じた石田えりの方が、存在感、あったなあ。

ところで吉永小百合という女優、本当に美しい。
サユリストの存在も充分うなずける。
だけど、この人、何の役を演じたらぴったりか、私には全然浮かんでこない。
『細雪』の雪子ぐらいしか観たことがないのだが、これも今一つな感じだった。

美しいことがマイナスになる、とは。
全くうらやましいばかりだけど。