ナミダのクッキングNo.2546 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

今日の映画鑑賞は『女の一生』。
原作は、モーパッサンの超有名作品だ。

…が、実は読んだことがない。
何の予備知識もなく観た。

それこそ題名通り「女の一生」の物語が、ものすごく静かにゆっくり進行する。
音楽も、極力、控えてある。
だから、波の音や風の音が響くのだが、これがまた寂しい。
自然が美しくて「絵になってる」のだが、これまた寂しい。

大自然に飲み込まれ、閉塞感に息が詰まりそうな映像なのだ。

内容も、映像に充分匹敵する。
修道院を出たジャンヌは、親も認め、自身も好きになったジュリアン子爵と結婚。
薔薇色の人生が待っているはずだったのだが…

実際は、信じた人に裏切られ続ける。

まずは夫・ジュリアン。
結婚したら、チマチマ小うるさい本性があらわれてくる。
それどころか、ジャンヌの乳姉妹ロザリや友人伯爵の妻など、身近な女と関係を持つ。
ロザリとは、実は結婚前からそういう間柄で、子どもまでできてしまう。

それから、ジャンヌの実の母親。
亡くなったあと、「夫以外の男」と愛し合っていたことが露見する。

それから、息子・ポール。
学校生活に馴染めず大暴れ。
彼も、どうやら女がらみで多額の借金をする。
あげく、一旗揚げるとばかり家を飛び出したが、大失敗。
借金は膨らむばかりで、金の無心ばかりしてくる。

そうして、ジャンヌは無一文になってしまうのである。

…と書くと、なんて気の毒な女の一生だろう、と思われそうだが、そうは簡単にいかないのである。

なぜならこのジャンヌという女性、いかにも世間知らずで現状を見る目が全くない。
その幼さから「ほら見たことか」と思ってしまうのだ。

結局、観た私の心はどっと沈んた。
こんな一生、たまらないな、と。




裏切られ苦しむばかりの日々なんて
鞠子