仕事で久しぶりに、G社のT社長とランチをした。
この方、数少ない「好きな客様」のお一人。
とても正直な方で、なおかつ、いつも対等な目線で話をして下さるので、居心地がよい。
私もついしゃべりすぎてしまい、後悔することもしばしば、なほど。
今日も、仕事以外の話に花が咲き乱れた。
T社長はゴルフ好き。腕前もなかなかのものらしいので、ゴルフを知らない私は単純に、「打ちっぱなしとか、コーチについてのレッスンとか、しょっちゅう行かれるんですか?」と聞いてみた。
したらば、意外な返答が。
「僕ねえ、そういう練習、嫌いなんだわ。打ちっぱなしとか、ほとんど行かない」
へぇ、練習せずに上達するのか。それとも、天性の才能アリ、なのか。
疑問に思ってさらに突っ込んで聞いたら、「とあるトレーニングを毎日ずっと続けている」と言われる。
どんなトレーニングか。
それは「言えない」、んだとか。
どうも、ゴルフとは直接的に関係のないトレーニング…みたいなことを匂わせたりして。
そんなこと言われたら、よけいに興味がわくじゃないの、ね。
T社長、曰く。
「僕はゴルフって『小技が勝負』、だと思ってるんやね。だから、小技を磨く訓練を、毎日欠かさずやってる。とにかく毎日毎日、欠かさずやる。そうすると、『これだ』と確信できる時があるんだよ」
…へぇ、で、それが、コースに出た時、実力として発揮できるんですか?
「それはねぇ、ま、1割か2割、功を奏せばいいところじゃないかな。鞠ちゃんの歌だって、そうでしょう。何百回と練習して、本番で100%、成果、出せた? 出せないでしょう。それとおんなじだよ」
…そうそう、私、さっき、「演奏会で、BACHのアリアを初めて1人で歌う体験をした」というプライベートを話したのであった。
「で、だめたったことをふまえ、試行錯誤しつつ、また、毎日毎日欠かさずトレーニングする。それしかないと思うんだけどね」
…ニコニコしながら語るT社長。
でも説得力大アリ、でした。
あきらめず、あせらず、地道に継続する。
そこから得られる「なにか」が大切なのだ。
もしかしたらそれは、「成績」や「成果」という形ではないかもしれないけど。
ちなみに、最後まで、トレーニングの具体的内容は教えてもらえませんでした。
ただ、自宅の一部屋がそのトレーニング専用になっており、畳がすりへってしまって、奥様はプンプンだそうです。
室内で、畳がすりへるような訓練…
う~ん、ナゾです。