東電の吉田元所長が亡くなった。
あの地震の後、直接、被害に遭った人はもちろん、日本中が悲観にくれ、恐怖におののいた。
テレビも新聞も、地震以外の報道は限りなくゼロだった。
なのに今や、あの痛みは忘れられつつある。
私も含めて。
まだ、本来の生活を取り戻せない人が大勢いるのに。
吉田氏の訃報を知り、そういえばこの人は、海水注入に関して本部に食ってかかった人だったと思い出した。
この人がいたから、被害がここまでで食い止められた、という声も聞いた。
しかし、
東電の社員であり、原発を動かしていた人であることは間違いない。
原子力発電について、その詳しい仕組みはわからないけど。
ただ、そんな素人が考えたって、
地震は「絶対起きない」とは言えず、むしろ、大なり小なり、地面は必ず揺れる。
その上に、原発が建つということ自体、そもそもムリがあるのではないか。
吉田氏は、これからも原発は稼働させるべきだ、と思っていただろうか。
58歳で食道がん。
事故による被ばく、とは言えないらしい。
でも、それ、本当?
その心労たるや、命に匹敵するほどだったのも間違いない。
やりきれないね。
ご冥福をお祈りします。