猛烈な暑さだった今日の午後、仕事でF社の工場見学に行った。
F社は、機械用刃物の製造会社。
紙の断裁やペットボトルの粉砕などをする機械の「巨大な刃」を作っている。
工場内は、一応エアコンが稼働しているが、熱処理工程だけは別。
巨大な扇風機が回っているものの、まるで灼熱だ。
そんな中、その工程の責任者であるKさんが、仕事の流れを説明してくれた。
私たちは、ほんのわずかの時間、その場にいるだけだが、彼らは毎日そこで過ごしている。
暑い。
とにかく暑い。
なのに、Kさんは、本当にうれしそうに、というより堂々と誇りを持って、自分たちの熱処理の精度の高さを話してくれた。
その後、場所を移動し、歪みを補正する部署へ。
多少は涼しい。
でも、「多少」。
刃は異なる金属を接合するため、温度によって、それぞれの金属の伸縮度合いが違う。
だからやみくもに涼しくできない。
それでも汗だくになりながら、責任者Mさんが、目視だけでかなりの精度まで歪みを正せる、と説明してくれた。
たとえ過酷な暑さの中でも、ものづくりに携わる人々の誇りは、給料だけでは測れない。
確かに体力があることが大前提だけど、正直なところ、何だかすごくうらやましかった。