ナミダのクッキングNo.622 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

山中伸弥氏のノーベル賞授賞にまつわるニュースをテレビで見ていて、前提と結論に当たるふたりの名言を、改めて思い出した。

前提は、先だって、仕事で聴いた『デフレの正体』の著者、藻谷浩介氏の講演。その中で藻谷氏は、「テレビや新聞の情報を鵜呑みにするな」と言っていた。

その通りだとは思う。
だから、今日の山中氏の記者会見、学生や研究員へのインタビューは、都合よく編集されているやもしれぬ。

それでも思った。結論は二つ目の名言、宇野千代の言葉。

「男は才能よ」

そうだ、その通りだよ。

山中氏は、しきりにまわりへの感謝を口にしていた。
かつて、「ジャマナカ」と言われ、マウスの世話係にされ、私なら、そういう目に遭わせたヤツらに対し「ざまーみろ顔」になるのは間違いないが、山中氏は本当に謙虚で落ち着いた話しぶりだった。
その上、「大きな責任を感じる。1日も早く応用、社会貢献を実現したい」、なんて、ノーベル賞はひとつの節目に過ぎない旨の発言をしていた。

その様子は、どう見ても、とってつけた言動には思えなかった。
研究に対する真摯な人柄がにじみ出てた。
周囲のインタビューも、それを裏付ける話ばかりだった。

宇野千代が言った「男は才能よ」の究極はこれなんだよ…

私は仕事上、まわりは男の人、それも経営者という立場の人がほとんどなのだが、ちっぽけな成功で有頂天になり、自分の力を誇示したがるヤカラがあまりにも多い。

こういう人、見ると、ぶっちゃけ「バカ」に見える。

もちろん中には、自分を客観的に見て、浮わつかない人もいる。
自分はまだまだだという謙虚さと向上欲を持っている。
間違っても「うまくいかないのはまわりのせいだ」などと人のせいにしたりしない。
実はそういう人ほど実力があるし、とても魅力的だ。

「才能」というのは、例えば学力とか容姿とか、そんな単純で一面的なことではない。

藻谷氏は怒るかもしれないが、山中氏の記者会見、本当に魅力的だった。