豆腐好きな私、通学途中のK駅で麻婆豆腐と炒飯のこジャレた店を見つけた。ほっとくわけにはいかない。
もちろん、行きましたん。
本日午後のみ授業。早めに家を出て、その店でランチ。注文したメニューは麻婆豆腐が主役のセット。
麻婆豆腐は石鍋に入ってきた。それも木蓋がぱこぽこ浮き沈みするほど、沸騰した状態で。
おいしそぅぅ…
木蓋を開けてみた。
まだぱこぽこ沸騰している。
ネコ舌のくせに、取り急ぎ一口…
…したら…
か、
か、
か、
か、
からいぃぃ-ぃ-ぃ-
「普通の辛さ」で注文したのに、強烈に辛い。
しまった。
炒飯主役のセットにすればよかった…
そうこうするうちに、男の人が3人やってきて、荒々に編んだ竹のついたてをはさんだ私の隣の席に座った。
みんな私と同じセット、それも、一番辛口を注文している。
お店の人が、「かなり辛いですが、よろしいですか?」と念を押したら「大丈夫、僕ら辛いの、得意だから」とニコニコ顔。
思わず隣の席から助言しそうになったが、確かに辛さに強い人も世の中にはおられると思い、お節介は止めた。
しばらくして、3人前の石鍋麻婆が私の目の前を通っていった。
…通っただけなんだよ。なのに、目がチカチカし始めた。
うそっ?おまけに私、メガネしてんだよ?
さて男の人3人、石鍋を前に、じっと固まっている。
「辛そうだぜぇ」
「何か、目、おかしくね?」
「ナミダ、出てきた。ヤバくね?これ…」
なんだかんだ言って、ぱこぽこしている木蓋を開けようとしない。
とばっちりをくってナミダ目になってしまった鞠子、ここまできたら、ぱこぽこしているうちに、なんとしてもその木蓋を開けてほしい。
授業が始まる時間がせまっているが、超辛麻婆を食べた時の男性諸氏のリアクションが見たいっ!好奇心満々鞠子…
…で、ようやく一人が木蓋を45度ほど傾けた。
…らね、
…らね、
みんな派手にハクション、ヘクション、ファーックション状態になって…
私も危険な状態になり…
結局、食べるリアクションを見ることなく、あわてて席を立ったのでした。
それでもギリギリで、最後はものすごくあせって教室までたどり着いたのでした。
この大学、地下鉄の駅から校舎にたどり着くまで10分くらい歩かなきゃならないんだけど、ずっと上り下りの勾配ばかり。おまけに最後の曲がり角から校門までは、信じられないほどの急勾配。
急ぎ足でとてつもなく疲れた。
バカだ…
好奇心にもほどがある。
悲しすぎ…