●土地の産物を使ったお菓子
(ロレーヌ)
マドレーヌは、帆立貝の殻の形をした、レモンまたはオレンジ風味の焼き菓子です。卵と砂糖、少量の塩をよく混ぜ合わせた中に小麦粉、溶かしバター、おろしたレモンの皮を加えて焼きます。

マドレーヌという名前の起源は、スタニスラス公が1755年にロレーヌ地方のコメルシーに滞在していたとき、宴会の準備の最中に、料理長とけんかをしてやめてしまったお菓子職人の代わりに、メイド(料理人ともいわれる)のマドレーヌが即興でお菓子を作りました。これがとてもおいしかったので、このお菓子にマドレーヌという名をつけ、ヴェルサイユに住むルイ15世妃の娘マリーに送ったところ、宮殿で評判となり、パリで広まった、という説が有力です。
その他に、コメルシーのペロタン・ド・バルモン夫人の女料理人であったマドレーヌ・ポミエMadeleine Paumierが考案したという説や、第1帝政時代のパリの美人菓子職人が考案したという説など多くあります。
いずれにせよ、製法は長い間秘密にされ、ある時コメルシーの菓子職人がびっくりするような高値で買い取ったとか、コメルシーの職人がずっと秘密にしていたとかいわれています。
またマドレーヌは、フランスの作家マルセル・プルーストの代表作『失われた時を求めて』の冒頭で、主人公の幼年時代の追憶を呼び起こすという重要な役割を果たしていることで有名です。
ちなみに日本でよく見る平たい菊型は、本来パン・ド・ジューヌを焼くときに使う型です!
フランスの素朴な地方菓子/マイナビ出版(2017/2/27)

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