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Guardian Live Terry Gilliam Celebrating 50 years

10月29日(水)7:30〜9:00pm(日本時間では10月30日(木)4:30am)、ロンドンでテリーGのトークイベントがありました。

Guardian Live "Terry Gilliam: Celebrating 50 years in film"
Cadogan Hall, Wed 29 October 2025 - 7:30 PM


私は現地に行ったわけではありませんよ。とてもとても嬉しいことにオンラインでの視聴ができたんです! Livestream ticketは£16(3,391円)。オンラインとはいえ、リアルタイムで参加できるなんて、わくわくすぎる……! ストリーミングが始まると、テリーGのこれまでの監督作品のシーンが次々に画面に映し出されて、それだけでもうテンション上がる。テリーGは『空飛ぶモンティ・パイソン』第4シリーズのOPみたいな、排水管の柄のシャツ(その後の話とも若干関連ありな柄だった)にいつもの和服っぽい上着で登場。ステージ上には、ホストの方とテリーGふたりだけという実にシンプルなトークショウで、1 時間30分の間、ほとんどテリーGがしゃべっていた。最後のQ&Aコーナーが予定よりかなり短くなってしまったくらい。会場にはマイケルとジョンもきていて、マイケルの質問がQ&Aで採用されていました。

「マイケル・ペイリンという方からの質問です。『TGへの僕からの質問は、英国人の俳優とアメリカ人の俳優では作品へのアプローチに違いがあったと感じているかどうか?ということです。監督として、異なった対応をしなければならないことはありましたか?』」

(Someone called Michael Palin has asked, "My question for TG would be, does he feel there was any difference between the approach of British and American actors to their work? As a director, did you have to handle them differently?")

「なんと。君は仕事を探してるんだね?(笑) これがヒントだよ、マイク。そう。アメリカ人の俳優は英国人の俳優ほどにはあまり柔軟ではないと思う。というのも、彼らはとにかく、うん、アメリカにあるさまざなな演技のシステムがとにかくそうさせているようなんだよ。ただし、僕は概して非常に運が良かった。適切な俳優をキャスティングできたら、彼らはなんでもできるとわかった」

(Whoa. You're looking for a work, aren't you? That's a hint, Mike. Yes. I think American actors aren't as flexible as British actors really. I mean, they just, yeah, the various systems of acting in America just seem to do that. Except I've been very lucky generally. I found if you get the right actor, they should be able to do everything.)

それから、『タイムバンディット(バンデットQ)』の話。

「これはおそらく僕の子ども時代にさかのぼることになると思う。両親が僕を幼稚園に入れようとしていたとき、僕は幼稚園に入るにはレベルが上すぎるみたいだったんだ。そこで、小学校の1年生に入れられた。だから、1年生全員の中で、僕は一番年下で一番背が低い児童だった。何年もずっとそんな感じだったね。僕は常に一番背が低かった。だから、ほかの人たちよりも背が低いというのはどういうことなのかを理解するための時間がたっぷりあったんだと思う。それと、ほかと違っている、ほんとうに違っている人たちに常に興味を持っていた。それで、そのアイデアから基本的に子どもの目線で描かれている映画になったんだけど、彼の周りにいる大人は彼よりも背が低い人たちしたかった。それが最終的に『タイムバンディット』のもとになったんだ」

(This probably goes back to my youth, because when my parents were trying to get me into kindergarten, I apparently too advanced for kindergarten. So, I was put into the first grade. So I was the youngest and the shortest member of the first grade student body. And it was like that for many years. I was always the shortest. And so I had, I guess I've had a long period of understanding what was like being smaller than other people. And I'd always been interested in people who are different, truly different. And so the idea was a film that was basically seen from a kid's point view, but I wanted the adults around him to be smaller than he was. And that's how we ended up with home with Time Bandits.)

先日のYouTubeのインタビューでもちらっと話していた『タイムバンディット』の話をもっとくわしくことができました。『タイムバンディット』はテリーGの映画の中でも一番好きな作品のひとつなので、こういう話を聞けるのは嬉しい。主人公のケヴィンとともに行動するのは、やっぱりドワーフたちでなければ意味がない、ということですね。この映画でショーン・コネリーと仕事をするのはとても楽しくて、色々と学ぶこともあった、という話も出ていました。というか、飛び級だったなんてまずびっくりでした。

そのほかには、友だちの紹介で、コメディアンとして大人気だったころのウディ・アレンと知り合った話("He was wonderful. He's just great"とのことです)や、デジタル技術が進歩しても陰影を反映するミニチュアがやはり良いという話などなど。

最後の質問は、会場にもきていたテリーGの孫娘のウィロー(8歳)から。

「なぜ映画の仕事をするのが好きなのですか?」
(Why do you like working in film?)

「なぜなら、ここに集まっているような人々と一緒になって、彼らが見たことのない世界に連れていくことができるから、かな。素晴らしいことだよ。僕は人々の世界の見方を広げようとしているんだ。もっと素晴らしくしようが、もっと小さくしようが、どんなふうにでもいい。でもとにかく、毎日テレビで売られているような世界から抜け出すんだ。その外にはもっとずっといい世界がある」

(Because I can get people like people gathered here, I can get them together and take them to a place they've never been before maybe. And that would be wonderful. I'm trying to expand people's view of the world. Make it greater, smaller, it doesn't matter. But just escape the world that is sold you daily on television. There's a world out there that is far far better.)

終始、はちゃめちゃなようで実際はものすごく謙虚でおごったところがまったくないテリーGの人柄がしっかりと伝わってくるトークでした。

ストリーミングのプラットフォームはVimeoだったのですが、途切れたりすることもなく、とても快適に視聴できました。チケットの購入者には、イベントのあとにアーカイヴのリンクも送られてきます。イベントの5日後、翌週の火曜日には2週間後まで視聴可能なリンクのメールがきました(アーカイヴはなぜかVimeoではなくYouTube)。これはストリーミングのチケット購入者だけではなく、リアルイベントのチケットを購入した人も同じ。「来場できなかった場合やリアルタイムで視聴できなかった場合も、アーカイヴのリンクが送られますので、ご都合の良いときに視聴してください」とチケット購入ページの説明にあったので、タイムラグ勢としては、眠くて起きてられなかったらアーカイヴで観られるという安心感。でも結局ぜんぜんふつうに起きてて、リアルタイムで観ました。このシステムほんと素晴らしいですよねぇ(アーカイヴがなかったら、私の記憶力ではそもそもこの記事も書けていない)。マイケルやジョンのトークイベントでもこういうのあったらいいのになあ。

ところで、なんとジョンのドキュメンタリー映画『John Cleese Packs It In』が公開されます。複数の国ですでに公開が決まっているようですが、日本の情報はまだないですね。観たいいーー! ジョンの愛猫も登場するみたいですし。劇場公開とまでは贅沢言わないので、せめてAmazon PrimeやApple TV+でレンタル/購入で観られるくらいにはしてほしい!

A Message from John Cleese | John Cleese Packs It In

マイケルの旅番組もまた配信してほしいです。以前、なぜか『発見! 北朝鮮の歩き方』だけDisney+で配信されていた。現在は残念ながら視聴できません。

Michael Palin in Venezuela 🇻🇪 | Trailer | Channel 5

エリックは映像関係の情報はないけど、少し前にリニューアルしたHPのトップの画像がおもしろすぎる。ぜひリンク先を見てみてください。
https://ericidle.com




トークショウ会場でのパイソンたち。黒のタートルの女性はテリーGの娘のホリーです(可愛い!)。
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