バンデットQ(Time Bandits) | CAHIER DE CHOCOLAT

バンデットQ(Time Bandits)


テリーG監督、テリーG&マイケル脚本の1981年の作品。マイケルとジョンが出演している。かなり意識の流れ的な展開だし、「え?」とか「は?」とかなるところは多々あるし、衝撃のオチ(結末)だし……で、すごく楽しかった〜! 主人公の11歳の少年ケヴィンはイギリスの住宅街に両親と住んでいる。両親はテレビを観てばかりで、歴史や科学が好きなケヴィンが話すことには無関心。そんなある日、とつぜん子ども部屋に現われた“タイム・バンディット”たちとともに、ケヴィンはあちこちの時代で大冒険をするはめに……ただ、冒険といっても、「Bandit(バンディット)」は「強盗」という意味で、彼らはタイムトラベルをしては盗みを働いているというのがその実態。そんな怪しいこと極まりない彼らに連れられて、とうとつにまったく違う時代にくることになったケヴィンも帰りたそうにするどころか、むしろそこに留まりたいと言ったりするのがおもしろい。ロビン・フッド(演じているのはジョン。デニス・ムーアみたいなキャラに笑わずにはいられない)に「ここで手伝ってくれる人はいるかな?」と聞かれると即、「僕、ここに残りたい」と答えるし、そのあと、嬉々として古代ギリシアのアガメムノン王(ショーン・コネリーがかっこいい!)の養子にまでなってしまう。とにかく、家を恋しがるようすはまったくなし。そして、「やっぱりパパやママのそばが一番、お家が一番」みたいなお決まりでないエンディングが良くて大好き。日本で公開されたとき、このラストシーンはカットされていたそうですが。『未来世紀ブラジル』もそうだったように、ここがないとおもしろみ半減だというのに。「どうやったらそんなの思いつくんだ?」と言いたくなるような奇妙な造形はさすがのテリーGで最高。バンディットたちとケヴィンのおそろいのサンドベージュのスーツはすっごく可愛いかった。ケヴィンがいつもななめがけしているブラウンのバッグも可愛らしい。衣装クレジットはジェームス・アチソン in association with ヘイゼル・コテ(ヘイゼル・ペシグ)。カギになる小道具がポラロイドカメラっていうのもいいんだなあ。違う時代で二役のマイケルは安定のおかしさで、どちらの時代でもマイケルとカップルになっているパンジーを演じるシェリー・デュヴァルもおかしみがあってなんともいい味……と思ったら、『アニー・ホール』のパム役の女優さんだった!