群馬県桐生市の女児自殺事件。
同年代の子をもつ親として、とても他人事とは思えない。
この年代の女子は人間関係にたいへん敏感で、
大人が思う以上に傷つきやすいからである。

自殺してしまったお子さんは小学6年生。
わが子は二つ下の4年生だが、
すでに学校での人間関係の困難に直面し始めている。
いじめられているというわけではないようだが、
一見仲がよさそうに見える友だちとのあいだでも、
ややこしいことがたくさんあるらしい。
最近も、こんなことがあった。
わが子には、小学校入学以来ずっとなかよしの親友のような子がいるのだが、
この親友女子との関係が微妙に変化する事件が起きた。
近所の公園で、わが子とこの親友女子ともう一人の子と3人で、
かくれんぼをして遊んでいたときのことだ。
オニになったのはわが子。
数を数え終えて友だちを探しはじめるが、いくら探しても二人とも見つからない。
15~20分ほど探しても見つからず不安な気持ちで公園の外に出ると、
公園外のマンション駐車場に隠れている二人を発見。
「公園の外に隠れるなんてずるいよ! 見つけられっこないじゃん!」

わが子はあまり感情をあらわにする性格ではないが、
そのときは思わず怒ってしまったらしい。
それ以来、その親友女子はわが子と距離をおくようになり、
いっしょに隠れたもう一人の女子と仲よくするようになったのだ。
しかも、わが子によれば、かなりあからさまに避けられるようになったという。
3人で並んで歩くときも、これまではわが子にべったりだったのに、
わが子のとなりをサーッと避けて、その子にベタベタくっつくようになったというのだ。
悲しいような不愉快なような、
なんとも言えない気持ちをわが子はそれとなく打ち明けてくれたが、
内心では相当こたえていたと思う。

あまりクドクド言わず、さらっとイタワリの言葉をかけて、
「これを機会に別の友だちに声をかけてみれば」とすすめてみた。
最近の子どもたちは2~3人でがっちりとグループを組むことが多く、
自分を受け入れてくれるグループがあるかどうか不安だったようだが、
幸いにも仲よくできるグループを見つけて、楽しい学校生活をつつがなく送っている。
ちなみに、わが子はどちらかというとインドア派で、
休み時間も教室内で遊ぶことが多かったのだが、
新しいグループの子たちに誘われて外で遊ぶことが多くなった。
体を動かすとやはり気分がいいらしく、
「新しい友だちができてよかった」と喜んでさえいる。
災い転じて福となる。
親友との出来事は残念ではあるが、
わが子にとってはあながち悪くない経験であったようだ。

ところが、それからひとつきほどたったある日、件の親友女子が、
「●●ちゃん(新しくなかよくし始めた子)はあまりかまってくれないの。
私はやっぱり◎◎ちゃん(わが子)のほうがいい」
と言って、わが子にふたたびくっつき始めたという。
すでに新しい友だちグループになじんでいるわが子が、
その親友とふたたび元通りの関係になることはないようだが、
いやはや、聞けば聞くほど、まるでややこしい男女関係のようである。
これから先も似たようなことが起きるかもしれないが、
これも避けては通れない女子の定めか(わが子よ、ガンバレ!)

それにしても、人間見た目ではわからないものだ。
その親友女子はいたっておだやかなタイプで、一見とてもやさしい子だが、
今回の一件によって、ある種の「いじわるさ」「調子の良さ」を見せつけられることになった。
子どものことだし、人間いいとこ悪いとこいろんな面をもっていてしかるべきだが、
個人的には、この手のいじわるさや調子の良さには、
悪意というよりも人間の弱さ、もろさを実感させられる。
こういう子どもは、おそらくこのままの状態で成長していくのであろう。
ちなみに、その親友女子はつねに笑顔を絶やさない子である。
「そんなに笑わんでもいいよ。無愛想にしてていいよ」
と言いたくなるほど、いつもニコニコと笑っている。
笑顔でいるのはとってもたいせつなことだと思うが、
彼女の笑顔には、そこはかとない不自然さが漂う。
自分自身を必死で守ろうとする仮面。
私には、そう思えてならない。
