夢/色彩
夢。
新しい電車のダイヤを把握できない。
目的地までに1度乗り換えをしなきゃいけないのだけれど、いつもの感じで向かい側で待っていた電車に乗ったらまた戻ってしまう方向の電車だった。
ずいぶん遠ざかってから気付いた。
ホームで待っていたら急に雨と雷がひどくなった。
屋根のある待合室はいつもこんな雨にやられているのだろう、床板は歪み、擦れ、色も褪せていた。
あたりは濃い靄に包まれて雷鳴も叩きつける雨の音もみんなその中に響いてどこにも抜けていかなかった。
何故か私はものすごく恐くて立つことができなかった。
頭のなかで、か、実際声に出していたかはわからないけれど叫びながら床の乾いた箇所を探していた。
籠もっていた靄にふと流れが見えたと思った途端、吹き払われるように雷雲が去った。
雲が去ったあとはまぶしいくらいの青空で、みどりや色んな色彩の花やおうちのレンガ。
(この前みた『嫌われ松子の一生』の映像みたいに)
はっと私は雲が去った方向を見ると、その鮮やかでハッピーな色彩のど真ん中を青紫の黒々とした雲が消失点に向かってすごい勢いで遠ざかってゆく。
色のコントラストがすごかったから写真を撮った。
写真を撮ると同時に遥か地平線のほうの門が閉まるのが見えた。
*
写真はカメラに残っていませんでした。
当たり前だけど残念。
新しい電車のダイヤを把握できない。
目的地までに1度乗り換えをしなきゃいけないのだけれど、いつもの感じで向かい側で待っていた電車に乗ったらまた戻ってしまう方向の電車だった。
ずいぶん遠ざかってから気付いた。
ホームで待っていたら急に雨と雷がひどくなった。
屋根のある待合室はいつもこんな雨にやられているのだろう、床板は歪み、擦れ、色も褪せていた。
あたりは濃い靄に包まれて雷鳴も叩きつける雨の音もみんなその中に響いてどこにも抜けていかなかった。
何故か私はものすごく恐くて立つことができなかった。
頭のなかで、か、実際声に出していたかはわからないけれど叫びながら床の乾いた箇所を探していた。
籠もっていた靄にふと流れが見えたと思った途端、吹き払われるように雷雲が去った。
雲が去ったあとはまぶしいくらいの青空で、みどりや色んな色彩の花やおうちのレンガ。
(この前みた『嫌われ松子の一生』の映像みたいに)
はっと私は雲が去った方向を見ると、その鮮やかでハッピーな色彩のど真ん中を青紫の黒々とした雲が消失点に向かってすごい勢いで遠ざかってゆく。
色のコントラストがすごかったから写真を撮った。
写真を撮ると同時に遥か地平線のほうの門が閉まるのが見えた。
*
写真はカメラに残っていませんでした。
当たり前だけど残念。
美術手帖、バレリーナ(に非ず)な夢
美術手帖 2008年 07月号 [雑誌]
↑
絵を描いている友人が美術手帖の7月号にことばを書いています。
アーティストによるアーティスト論…ということで(私にとっては)なんだか難しそうだけれど、今ぐんぐん走っているアーティストさんたちの書いている作品や、世界や、それを感じること、対する個ということ…への想いのようなものに触れるのもきっと楽しいと思います。
最後にはこのからだへ還ってきて、そこで過去の経験とか勘とか、そういうものを総動員しながら感触としてつかむしかないのかなあという気がする。
でも自分以外の出どころからまばゆく発信されたものが突き動かすちからってすごいものだと思う。
すぐに、つかめなくても。
ちかごろ私はそういうものごとにあてられっぱなしで、ちっとも自分のほうの整頓が追いつかない。
多分荒いところにばしばし溜め込んでいるわけでもなくて、乱反射してあさっての方向へ飛んでいってしまっている。
もったいない。
だから、知恵熱が出るのだ。
そして今朝は変な夢を見た。
身近にいる素敵なバレエダンサーさんが集結して『ロミオとジュリエット』を下敷きにした新作を舞台にのせる、そのリハーサルになぜか私が呼ばれていて、バレエは無理!って、いえないけど言わなきゃいけない、けどとってもいえない。
みたいな状況で大汗をかく、夢。
自分が情けなくなりました。
***
素敵に紹介しようと思ったのにへんてこな夢の話をまぜてごめんね。
夢/みどりの海、合図台のフラミンゴ
夢。
大波がきたら深く潜ればよい。
泡だらけの深海からわたしはすぐに空に飛び立って、沈んだままの子供がいないかと振り返る。
荒れていたはずの水はすぐに薄いみどりいろに澄んで、もう白い底に当たる陽の輪が乱れずに見えている。
おかげですべての子供たちを見渡すことができた。
一度沈んだ子供たちも頭を水面から出して息をしている。
もうすべて大丈夫だ、と思った頃にひとりだけ何度水面に近づいても顔が空気に触れない子をみつけた。
飛び込んで救い出す。
逆さまにして背中をたたいたけどダメで、けれど心臓に耳をつけると規則正しく鳴っていた。
鼻を押さえずに人工呼吸をすると鋭い音がなるのだと知った。
しばらく繰り返すとおとこのこは自分の白い水泳帽にかわはぎの肝を吐き出した。
おとこのこのお母さんがなにもしないで立っていたからその帽子を洗ってほしいと渡すと汚いから嫌よと吐き捨てる。
近くにはおとこのこの姉もいるのに。
あなたこのこのお母さんでしょう。なぜ落ち着いて見ていられるの。
けれどお母さんは去ってしまった。
あとを追おうとするお姉ちゃんの、目が覚めるような青いTシャツの腕をとってあなたのお母さんがどんなにひどいひとかを言う。止めることができない。
手元にはいつまでも乳桃色の水が切れない白い帽子と、おおきなたらこを握っている。
ちゅんに左目をつつかれて目が覚めた。
***
わたしは鳥だった。
ものすごく高くて小さな足場しかない台に乗って仲間たちに合図を送ることになっている。
どうやってそこに登ったのかはおぼえていない。
わたしともう一羽が合図をすると群れは羽をひるがえすから地面が波のように赤くきらきらとひかる。
ときおり拍手も聞こえる。
鳥はどうやって拍手をするのか、とわたしは考える。
降りる段になってとても恐くなる。
まあるく削られた台も小さいけれどそこにいたるまでのはしごのようなでっぱりはとてもささやかなものだ。しかも私には翼しかない。足だけで降りていかれるだろうか。
跳ぼうか、と思ったけれど実はわたしは鳥ではないのだ。
ここから落ちることも恐いけれど鳥ではないことが仲間にばれてうけるであろうしうちも恐ろしい。
フラミンゴに似たこの鳥たちがそういうことに対してはどんなに残酷か、知っていたから。
ずっと足がすくんでいた。
霧がかかる遥かな山や森のかげろうを見つめていた。
大波がきたら深く潜ればよい。
泡だらけの深海からわたしはすぐに空に飛び立って、沈んだままの子供がいないかと振り返る。
荒れていたはずの水はすぐに薄いみどりいろに澄んで、もう白い底に当たる陽の輪が乱れずに見えている。
おかげですべての子供たちを見渡すことができた。
一度沈んだ子供たちも頭を水面から出して息をしている。
もうすべて大丈夫だ、と思った頃にひとりだけ何度水面に近づいても顔が空気に触れない子をみつけた。
飛び込んで救い出す。
逆さまにして背中をたたいたけどダメで、けれど心臓に耳をつけると規則正しく鳴っていた。
鼻を押さえずに人工呼吸をすると鋭い音がなるのだと知った。
しばらく繰り返すとおとこのこは自分の白い水泳帽にかわはぎの肝を吐き出した。
おとこのこのお母さんがなにもしないで立っていたからその帽子を洗ってほしいと渡すと汚いから嫌よと吐き捨てる。
近くにはおとこのこの姉もいるのに。
あなたこのこのお母さんでしょう。なぜ落ち着いて見ていられるの。
けれどお母さんは去ってしまった。
あとを追おうとするお姉ちゃんの、目が覚めるような青いTシャツの腕をとってあなたのお母さんがどんなにひどいひとかを言う。止めることができない。
手元にはいつまでも乳桃色の水が切れない白い帽子と、おおきなたらこを握っている。
ちゅんに左目をつつかれて目が覚めた。
***
わたしは鳥だった。
ものすごく高くて小さな足場しかない台に乗って仲間たちに合図を送ることになっている。
どうやってそこに登ったのかはおぼえていない。
わたしともう一羽が合図をすると群れは羽をひるがえすから地面が波のように赤くきらきらとひかる。
ときおり拍手も聞こえる。
鳥はどうやって拍手をするのか、とわたしは考える。
降りる段になってとても恐くなる。
まあるく削られた台も小さいけれどそこにいたるまでのはしごのようなでっぱりはとてもささやかなものだ。しかも私には翼しかない。足だけで降りていかれるだろうか。
跳ぼうか、と思ったけれど実はわたしは鳥ではないのだ。
ここから落ちることも恐いけれど鳥ではないことが仲間にばれてうけるであろうしうちも恐ろしい。
フラミンゴに似たこの鳥たちがそういうことに対してはどんなに残酷か、知っていたから。
ずっと足がすくんでいた。
霧がかかる遥かな山や森のかげろうを見つめていた。

