アマヤドリ -399ページ目

終点のその先

風にかき消されて
この温かいキモチが
どこにも届かないことを恐れる
底を突いてしまうのは根気で、
煌めきじゃない

ゆっくり時間がかかってもいいから
あのこに伝えて

まだあなたの温かさを覚えている、と。
あなたの瞳を
今すぐにでも記憶のスクリーンの上に
像を結ぶことができると。
あなたの小さなケンメイな心臓の音を、
この指に今も
感じると。

夢/熊

雪山の細い道を登る。


熊がいたりして…と思っていたら本当に斜面を熊が歩いている。白と黒のまだらのやつとかこげ茶色のやつとか…まだ子供だけれど、4匹も見かけた。こちらを無視しているけれどやはり少し恐い。
夢の中でこいびとらしきひとををみつけてその事を告げ、いざという時のために近くの電信柱に上れるか試してみる。

でもそれは映画のセットのように軽く、輪切りになったものを積み重ねただけのはりぼてだった。


こいびとは小屋に戻って今夜外で寝られるように用意をして、と私に言う。
小屋に戻り母に毛布や布団を持っていきたいと言う。

部屋を覗くと私たちの布団が全部他の部屋に使われていて空になっていた。
何とか調達しないとなぁ…と思ったところで目が覚めた。

殻の中の双子

道のぬかるみが深くなってきている。

夜じゅう辛抱強く降っていたからそれに耐えるように草たちも息を潜めている。

雨がひどくてこのまま眠り込んだあつい体温と一緒に閉じ込められていたかった。
鮮やかに行ってしまうのが何だか淋しくて、瞬きをしないように白い光に出てゆくところを見つめた。

こんな雨の中を大きな声を出して鳥が飛んでいる。
ひらかれた気持ちを私は手に取り、ただ眺める。

世界を触れに

雨音を聞く一日だった。
風はそんなになくただ真直ぐ雨が落ちる。
雨が弱まると時計の秒針の刻む音が聞こえるくらい、まだ差し迫ってはいない。
しかし雨は途切れない。

いったいどのくらいの時間を掛けてこんな大量の水分が空へのぼったのだろう。

明日朝電車が動かなくていつまでもぬくぬく布団にいられたらいいなと淡い期待をするけれどきっとそうはならないんだろうな。
いつもそうだもの。

夜中、吹き付ける雨に目を覚ますのだろうか。

Monday Park

仕事のお使いで日比谷公園を通る。
たくさんの緑、噴水、光る芝生。そんな光景がやたらと嬉しい。
だって仕事中なのに!って。

ぽかぽか陽気の中ベンチでパソコンを広げ仕事をする人もいる。色とりどりの花を売る人。石に座り池を眺めながら語り合う人。
傍若無人に道端に寝転んでいる強者も。

一日ぼんやりとここを散歩するのも楽しそうだ。
でも今日は、合間だからこそよかった。
色んな光景をベストショットで記憶に刻もうとしたから心臓がどきどきした。
みつばちみたいに。

またお使いにいきたいな。