アマヤドリ -349ページ目

夜の祈り

ふと見下ろすとちいさな女の子がいた
俯いて
自分の影のふちを爪先で辿ってる

頬に垂れた髪はその瞳を隠してるけど
その子の心が僕を呼んだことを知っている

女の子は歩き始める
ゆっくり、ゆっくり。
少し遅れて私も歩みを合わせる
寄り添うように
そのちいさな肩が少しでもあたたまるように

もどかしいな


何重にもくるんであげる
そのかなしみがどこにも零れ出てしまわないように
この微かなあたたかみのなかに
ちゃんと溶けだして
かみしめるに耐えられるくらい

いつまでも
背中に手を当てて歩いた

冷たい夜の
長いながいこの時間を越えて
どんなはしっこにも
一緒に歩いていってあげるから



そうしたらそのちいさな女の子は
僕を振りあおいで瞳を閉じた


…どうか、かみさま。

僕は初めてお祈りをした。


前夜祭

今日は会社帰りに銀座のお好み焼きやさんへ。新橋から歩いてびっくりなドンキホーテを通り過ぎ、クラブのママを脇目に歩く。
今日はとても仕事が忙しくて8時半まで残業していた。取引先と電話しっぱなし、FAX流しっぱなしで喉や唇が乾いた。
残業のおかげでお好み焼きは20分くらいしかいられなくて、せっかくお兄さんが焼いてくれたもんじゃ焼きを焦がしてしまった。
その後軽いバーみたいなところに行き、しゃべるし笑うしで本当にたのしかった。
皆で1年後に沖縄にいこう、と旅行積み立ての話をしたり。
ホントにするのかな。私はヨーロッパ遠征をどうしよう、とふと思った。
今まで会社のひとと仲良くしたことなかったけど楽しいもんだな…皆で旅行もいいかもしれない。

しかしヨーロッパ。
昨日の映画でたっぷりフランス語を聞いたけれど、やっぱり全くわからなくて、そして、ラジオのフランス語講座もとっくに始まっていることに気付く。
私の決心ってなんて穴だらけなんだろう。

やっぱり今日も不思議な胸の重さがあった。
からっぽなのに重いような。
女の子はたいてい現実逃避が得意だと思う。

花びらスカート

今日は会社の人たちと銀座にお好み焼きを食べに行く。ふわふわのお好み焼きなんだそうだ。楽しみだな。
そんな風な場なのにすごくラフな格好をしてきてしまった。
これじゃあ原宿の子だよ。

職場が変わると服装もなんとなくそぐわなくなる。原宿で働いてたときは服をよく買ったのでそのころのものは多いんだけれど今のこの霞ヶ関には不似合いだ。
もう2割増しくらいきちっとしないとな。

服といえば私はひとつもスカートを持っていなくて小さい頃から制服以外ではほとんど着た事がない。
スカートをはけばもうちょっとお洒落の幅が広がるんだけどなあ…とは考えるけれど。

だって仮装してるみたいな気持ちになるんだもん、いまさら。

チェシャ猫

夜のコスモス

何もかもがあの時と重なる。
表も裏も、両方知ってるのにいつまでしがみついてるんだろう?
頑張ってもかなわないこと。
洗い流した澄んだ心で待っていても訪れないこと。
ほんの少しでいいからと差し出した震える手はからっぽ。
目を閉じてもやっぱり夜は冴えざえとしている。

でもいいや。
たぶん私は悲しいだけだから。
重要なものはなにも、握り潰しちゃうもんか。
悲しいことは、いつかちゃんと消えてくれるって知っているから。

通り過ぎる景色が無音に思える夜。
どこまでもどこまでも、歩きたい。
夜露に髪が濡れるまで。

あぁ、あの時はクラクションを待ってたんだっけ。
もう何も待たない。
なにもわたしをまってはいない。

残酷な時間

今からまた飯田橋ギンレイホール。
今日は2本立てで観る。
『みんな誰かの愛しい人』と『巴里の恋愛協奏曲』。『巴里の…』は『アメリ』のオドレイ・トトゥが出てる。予告編でとても可愛かったから楽しみだな。

こんな風に外をふらふらしないで本当は稽古をそろそろ本腰入れないといけない。どれだけさぼれば気が済むんだ、私は。
呆れるけれど、まぁぼちぼち。

会場はこの前より混んでる。客の入りは5割弱…というところかな。

楽しみ。

タイトル: 巴里の恋愛協奏曲