アマヤドリ -319ページ目

肩の残像

束の間の希望でもいいから掬い取った手を離したくない。両手をぴったりとくっつけて、そっとどこかには仕舞っておけないくらいのたくさんを、ずっと大切に掲げて眺めている。
どうしよう。
どうしたい?
ここから動かしてくれるわけじゃなくてかえって私の足の甲に釘を打ってしまったその甘い痛みを、私はうっとりと時々眺める。痛みや傷を憧れみたいに眺めて、一体この衝動はどこからきて、本当の正体はなんなんだろう、と思う。どんなお隣の感情と、私は勘違いをしているのだろう。
私は私の中の激しさに気付かなくて、けれどこの暴れだしそうな、なのに冷たく沸騰するような液体をどこかにずっと感じてきた。私は感情そのもののその流動する核と、なんとかどうにかして包み込んで穏やかでいようというからっぽの皮とのふたつからできているのかもしれない。
それに振り回されながらどんな風に変化して、ぶち壊していってくれるのか。
もしもう戻らない何ものかができた時にそれを懐かしむ余裕があるといい。
自分がこの手で選んだものなら。大丈夫だと私は思える。後悔もたくさんあって二度と帰れない場所がたくさんあっても。失敗して泣いても嘘をつかれても。自分で選んだことならちゃんと覚悟できる。
たぶんそれは伝わらない。言葉を尽くしても、目を見ても、優しくその髪を撫でても。だってこれは、私だけのものだから。この確信はどういうわけか芽生えてくれてそのことを考えると泣きたいような気にすらなる。とっても綺麗な夕日が瞳に差し込んできた時のように。子猫と心が通じたと感じた時のように。太陽は私になんの感情もない。子猫が私の目を覗き込んだのも習性にすぎない。感じるのは、私の心だけの働きだしその意味も私にしかない。

今のこの空がどこまでも続いていると知って急に平面みたいに見えた。諦観やかなしみが入り混じって心は余計に大きく広がる。決して、答えてくれないのに私はその空間をいつまでも見つめる。何回辿っても答えはでてこない。
だからその恐れにたいして、覚悟やまっすぐさを備えたりしてる。ちょっとくらいすり減ってもへいちゃらなくらい頑強に。だけどしなやかに撓むように。
ただただ、そうして抱き締めていてくれたらいい。暖かくて赤ちゃんみたいなかおりのその腕で。あなたが自分勝手に沈んでいってしまう夕闇がくるまでは私はよろこびだけを感じている。約束するよ。

それこそもう真剣に、真剣に私は息遣いを聴いている。

小旅行の夢醒めやらぬ一日

今日は水着を買いに&またネイルアート、あとメイクアップレッスンをしに御茶ノ水へ。
ろくに寝てないから疲れた。
それに…おしゃれは高い。綺麗にしてる人はすごいと思う。私は…このお金があったらレッスンいけるなぁとか本読みたいなぁとか思うから、まぁなかなか綺麗なお姉さんにはなれない。
でもただ、おしゃれをするということの価値はそれだけじゃなくてやっぱり気持ちに余裕ができることなんだろうなと思う。
でも疲れた。
メイクアップも、やっぱりものすごく作ったカオになっちゃうから、私は自然な自分の顔がいいな、と思う。そりゃあそれなりに綺麗にはしたいけど。あんまりあれこれ塗ってカサカサピカピカになるのは嫌なんだ。
でもとっても勉強になった。お肌のくすみを綺麗にすることも教わったし(やっぱりクレンジングはしなくちゃ駄目なんだって)、今まで使えなかった色のアイシャドウの使い方も教えてもらった。しかも初ファンデーションを手に入れたし…。使うかな…。
今回の爪はオレンジ色。子供の時に舐めたおっきなみかんのドロップみたい。


でも、やっぱりこんなふうに自分を磨くのは色んな発見があってうれしい。新しい自分を観たり、やはり何が重要かわかったりするから。


今はこんなふうに、立ち止まらず思い詰めず心のままに楽しもう。
だめだよ、ってあんまり制御せず。

反芻。
寒かったり暑かったり、優しかったり待ったり、でも夢じゃあない。
これからは知らない。
でも、あれは夢じゃない。

足枷から放たれた夢

ひとは残酷だ

少なくともあたしは残酷だ

その体中に掘りこまれた残酷の跡をみないために

あたしは

ひとみだけ無垢なつもりでそらをみあげる

「失敗した」とあなたは笑った

あの時私が本当に歪んで後ろを向いてしまっていたら。
きっと優しくわらったりできなかっただろう。
そうしたらきっと何もかもわからないまま永遠に心の隅っこがねじ曲がって放り出されたまんまだっただろう。冷えてかちこちになっても。
本当は、いつでももう逃げ出したくて消えてしまおうと思っていた。それがまるで、仕返しになるとでも思っていたかのように。…うん、そうだな、少なからずその意識はあった。綺麗なたくさんの場面を無理矢理奪うことで何かを感じてくれるかもしれないと…ああ、でもそれは酷すぎるかな。それだけじゃなかったもの。ただ、持っていたかったのだから。切実に、まるで祈りみたいにそれこそ純粋に。
だけどよくよく覗くとそこにはたくさんの策略みたいな、心が絡まりあった末のオリのようなものがあった。それは認めなきゃ。そこまで歪めてしまった。あたしはあたしを。
でも無理にそれを思い直したわけではない。
還って…まっさらなあの時にかえって、ただここにある一番単純で明快なことにぶつかってみた。ただそれだけだ。

ここはなんてシンプルなんだろう。
シンプルでいることはなんて難しいのだろう。
そう思ったら涙が出そうに胸をつかまれた。
こんなに空気が澄んでいて。すごいよ。
なぜこのままでいられない?なぜ色んな余計なものを投げ込んで何も映らなくしちゃうの?

淋しかったんだ。
ガラスに映ったひとの姿を見てふと思った。そういえば私、ずいぶん淋しかったなぁと。いつも眉をひそめてちっとも息をしていなかった。淋しくてぱくぱくしてた。“さみしい”と呟くだけで地面に5センチくらい沈んでしまいそうだった。
淋しいことはこんなにも私を狂わせる。すごくすごく。体全体を支配されて、いつか壊れてしまおうと思っていた。

色んなことが少しずつわかってきていて、もうそれは遅すぎるとっくに過ぎ去ったことなのだけれど、わかればわかるほどに恥ずかしさや後悔に身が震えるほどだった。仕方がないと言ってくれても、やっぱり仕方なくなんかないんだよ。私は私を許すけれど、でも。
どれほど私は身勝手だったのだろう。わかるはずがないんだ。私の気持ちのこのひだの奥なんか誰にも。少しずつ取り出して説明したって困惑するだけで。洪水に巻き込まれたみたいにもみくちゃにして、もう溺れた口からは何も発することができない。水が入り込んだ耳では何も聞き取ることができない。
当たり前だよ。
そんなにひとは賢くない。だって毎日間違いだらけじゃない?私だって。こんなにわからないことだらけなのに、正しく伝える努力をしただろうか。歪まず、シンプルなあの場所から。

ねぇ、良いとか悪いとか正しいとか間違ってるとか、嘘とか本当とか「つもり」とか。そんなのね、実際はどうだっていいんだ。誰に対して言い訳をするつもりなの?ここには私しかいない。恐れてなにもできないよりは。上り詰めたその先が延々と砂漠のように枯れていたとしても。それに気付いてまたゆがんで、またシンプルなここに戻ってきたらいい。

わかったことがたくさんあるよ。
こんなこと、私にしかわからないんだろうな。そんなこともわかった。
想像力のことを私はずっと考えていた。想像力は思いやりに似ていると。
だけどそれは必要なだけで満たしているわけじゃあなかった。
わからないことはたくさんある。ふとしたことで気付いて、どうして転換できなかったのかと省みる。許すけれど。私に繋がる時間を否定しても仕方がないから。

今はじまるここからは、お願いだから薄れないで。どんな代償を払ってもいい。私が手に入れたいのは、こぼしたくないのは、紛れもないこの今の生の気持ちそのものだけなのだ。
これだけが、私に意味をくれる。

メロディを、皮膚呼吸

【memo】
・弧を描くように。弧を描きながら体には螺旋が流れている。回すことで仙骨を前に。胸骨を押すことじゃなくて後ろから。
・脇の下の空間が…
・ジャンプの時には踵を外に張るんじゃなくて爪先を内側に。クペを作るときと同じ。爪先が芯を通ろうとする。


踊るのは楽しくて音楽を吸い込んでしまうともう肘とか内側に入っちゃうし男性みたいに飛んじゃうしいつまでも空中にいたいと思っちゃう。
本当にわはは、って笑いたくてこの瞬間に私は間違いなくぴかぴかしてると思う。
はじけすぎ、と反省するのはあとにして。
だってさ。じっとしてらんないよ。もっと飛びたいしもっと遠くまで動きたい。稽古場は狭くて。ぼかーんって壁も天井も吹っ飛ばしたい。
そうして、対局にこだわりを持つ厳しい目の私がいる。苦しくても息をつめて、もう少しうえへ。あと酸素5ミリリットル分音楽を延ばして。指先を見せるその1度の角度にも命を吹き込む。



踊りは…たぶん4次元を表現できたらいいんだろうな。
私のまわりの立体や球。
そして時間や光や音や、なにか知らない沸き上がるもの。


踊らせて。
もっと踊りたい。
狂ってるみたいにそう思う。