沈黙
果てしがない。
長いながい夜を思う。
こんなただ都合が良くてもしかしたらペースに巻き込んでいるつもりのあたしが、何かに取り巻かれちゃってゆくのかもしれない。
じりじり、もしかしたら首を絞めているのね。
でもたとえそうでも構わない。頭で考えるとばかげたことだけれど。
望んで、望んで、かなわなくて
この景色を見つめていたのだから。
何を手に入れたのかわからない。何を失いつつあるのか、それはどのくらい手酷くあたしを痛め付けるのか。
わからない。
分かるのは満ちている片側と、探ることすらできない虚無だけ。聞こえるのは冷酷に逃げてゆく自由なつばさのはばたきだけ。
はじまりじゃないのよ、と言い聞かせて、ちゃんとおとなしくしている。
ただの終わりのかたちなのかもしれなくて。
ただのざわめきのなかに包まれているだけかもしれない。
真綿みたいに優しくて甘い夢をみながら、
ほほ笑みながら窒息するまで。
ここまでにしよう。
しゃがみこんで待っても、涙はひとつぶしか出ない。
あたしは知っているから。
多分演じているだけのこの時間と凝縮された白い壁だけの部屋で。
舞台をおりたらもう、
ただ日常にもどるだけなんだって。
不思議と苦しくはないのは何故なんだろう?そのことが一番あたしを怯えさせる。
たくさん迷うことがあるの?
決して責めたりしないのを知ってる。
都合良くわすれるのも知ってる。
おとしめるんじゃなくて
ものすごく単純なことにしちゃうだけ
だから、だからもうだめだ。
これ以上簡単みたいにしちゃいたくない。
考えて望んで手に入れたかったものがなんなのか自分にも分かりはしないくせに。
ただ子猫みたいに…
ただ子供みたいに。
ただ欲しいよってねだりたい。
そこまで跳ばせて、って。焦りみたいに、でも何故こんな冷静なの?
演じているから?
返事はない
これは、
あたしが追い掛けるべきものだから
長いながい夜を思う。
こんなただ都合が良くてもしかしたらペースに巻き込んでいるつもりのあたしが、何かに取り巻かれちゃってゆくのかもしれない。
じりじり、もしかしたら首を絞めているのね。
でもたとえそうでも構わない。頭で考えるとばかげたことだけれど。
望んで、望んで、かなわなくて
この景色を見つめていたのだから。
何を手に入れたのかわからない。何を失いつつあるのか、それはどのくらい手酷くあたしを痛め付けるのか。
わからない。
分かるのは満ちている片側と、探ることすらできない虚無だけ。聞こえるのは冷酷に逃げてゆく自由なつばさのはばたきだけ。
はじまりじゃないのよ、と言い聞かせて、ちゃんとおとなしくしている。
ただの終わりのかたちなのかもしれなくて。
ただのざわめきのなかに包まれているだけかもしれない。
真綿みたいに優しくて甘い夢をみながら、
ほほ笑みながら窒息するまで。
ここまでにしよう。
しゃがみこんで待っても、涙はひとつぶしか出ない。
あたしは知っているから。
多分演じているだけのこの時間と凝縮された白い壁だけの部屋で。
舞台をおりたらもう、
ただ日常にもどるだけなんだって。
不思議と苦しくはないのは何故なんだろう?そのことが一番あたしを怯えさせる。
たくさん迷うことがあるの?
決して責めたりしないのを知ってる。
都合良くわすれるのも知ってる。
おとしめるんじゃなくて
ものすごく単純なことにしちゃうだけ
だから、だからもうだめだ。
これ以上簡単みたいにしちゃいたくない。
考えて望んで手に入れたかったものがなんなのか自分にも分かりはしないくせに。
ただ子猫みたいに…
ただ子供みたいに。
ただ欲しいよってねだりたい。
そこまで跳ばせて、って。焦りみたいに、でも何故こんな冷静なの?
演じているから?
返事はない
これは、
あたしが追い掛けるべきものだから
空からの手紙
すごく綺麗な夕方の景色だった。
空はほんのり色付いているくらいなのに、光の当たっている町はピンクで空気が澄みわたっていて。
それを父と母が見ている。
景色と、二人の背中を私が見ている。
望んでいたことに急に手が届きそうになって私は気が抜けていたんだ、と気付いた。
何がこんなに不安なのか、さっぱりわからなかった。もしかして私の選んだことは間違っていたのかとすら思ったほど。
ただまたベッドに身を沈ませて、何を明日からしたらいいかわからなくなった。何を求めたらいいのかわからなくなった。
でもこの朝方の夢みたいな夕焼けを見て、取り戻した。
こんな景色を探しにいこうよ、って。
この気持ちで踊ってゆこう。なにも私は間違っていない。これこそ本当に一番の結果だったんじゃない、と。
あまりにも長い間思い詰め、あまりにも手近に飛び込んできたから…しかも全く不完全に…私は混乱したんだろう。
どうして空の色ひとつで気持ちがこんなに救われたのかな。
私が空を好きだからだ。
だからこれは空からの贈りもの。
この気持ちを、私はいつか誰かに届けよう。
空はほんのり色付いているくらいなのに、光の当たっている町はピンクで空気が澄みわたっていて。
それを父と母が見ている。
景色と、二人の背中を私が見ている。
望んでいたことに急に手が届きそうになって私は気が抜けていたんだ、と気付いた。
何がこんなに不安なのか、さっぱりわからなかった。もしかして私の選んだことは間違っていたのかとすら思ったほど。
ただまたベッドに身を沈ませて、何を明日からしたらいいかわからなくなった。何を求めたらいいのかわからなくなった。
でもこの朝方の夢みたいな夕焼けを見て、取り戻した。
こんな景色を探しにいこうよ、って。
この気持ちで踊ってゆこう。なにも私は間違っていない。これこそ本当に一番の結果だったんじゃない、と。
あまりにも長い間思い詰め、あまりにも手近に飛び込んできたから…しかも全く不完全に…私は混乱したんだろう。
どうして空の色ひとつで気持ちがこんなに救われたのかな。
私が空を好きだからだ。
だからこれは空からの贈りもの。
この気持ちを、私はいつか誰かに届けよう。
夜の遠足
てくてく
遠くまできて、
こうして雨の匂いを嗅いでいる
知らないところの
知らないところから吹いてくる風に
黙って吹かれてる
こんなに遅い時間に店仕舞いの花屋さん
花や木は
今から眠りに就くのかな
それとも起きだして
内緒の話をするのかな
小さな蜘蛛が巣を作りはじめる
風に撓む糸のうえを
せわしなくいったりきたり
働く花屋のおじさんと
働く蜘蛛を交互に見つめる
ねぇ、知らないでしょ
僕は今
一人ではたらいてると思ってない?
こんなに近くに
せかせか働いてるもの同士がいる
知ってるのは私だけ
体が少しずつあたたまって
何か予感がする
だから私は
ちっちゃなちっちゃな子供になったような
そんな気持ちで見つめよう
真っ暗な夜をすかして宇宙をみるみたいに
待つのは嫌いじゃない
置いてゆかれるのでなければ
雨が落ちてきたり生温い風だけになったり
からまわりみたいに
この空の高いたかいところで
あ、
おじさんはやっと店仕舞いだ。
蜘蛛はというと、
まだ巣を編むのをやめない。
遠くまできて、
こうして雨の匂いを嗅いでいる
知らないところの
知らないところから吹いてくる風に
黙って吹かれてる
こんなに遅い時間に店仕舞いの花屋さん
花や木は
今から眠りに就くのかな
それとも起きだして
内緒の話をするのかな
小さな蜘蛛が巣を作りはじめる
風に撓む糸のうえを
せわしなくいったりきたり
働く花屋のおじさんと
働く蜘蛛を交互に見つめる
ねぇ、知らないでしょ
僕は今
一人ではたらいてると思ってない?
こんなに近くに
せかせか働いてるもの同士がいる
知ってるのは私だけ
体が少しずつあたたまって
何か予感がする
だから私は
ちっちゃなちっちゃな子供になったような
そんな気持ちで見つめよう
真っ暗な夜をすかして宇宙をみるみたいに
待つのは嫌いじゃない
置いてゆかれるのでなければ
雨が落ちてきたり生温い風だけになったり
からまわりみたいに
この空の高いたかいところで
あ、
おじさんはやっと店仕舞いだ。
蜘蛛はというと、
まだ巣を編むのをやめない。
ヤモリのおなかはみかん色
爪が、やもりのおなかみたいだ。こんな爪をしていたらお掃除のおばちゃんに「女の子はちゃんとそうやっておしゃれしないと駄目なのよ」と引き止められ、えんえんと恋愛について語ってしまった。道端で…。いつもそんなに気にしない感じに見えるのか、私は?
やっと梅雨らしくしっとりした空が戻ってきた。
昨日の夜感じた海の匂いのおかげで本当に夏が恋しい。
ハイビスカスの夏。蝶の夏。大きなオウムの夏。目を閉じて思い出すあの庭園から入口の感じは多分植物館だ。もう全く趣味の合わない、忙しいはらはらを思い出す。
夜の海にまた会いにいきたいな。
じわじわ迫るこの気持ちをなんて表現したらいいんだろう。
現実の一番苦しいところをうまく棚上げして誤魔化すことがうまいのはきっと普段いい子ぶっているからだ。元気な振りや楽しい振りは本当に私を元気に楽しくしてくれているから。でも、今は振りをしなくてもいい。
ホントはどこかで嘘をついているのかもしれないけれど。
最近おかしかったこと。
電車の隣に座った私立小学校帰りの子供が宿題をやりながら一心不乱に鼻をほじっていたこと。
穴が伸びて広がってしまうんじゃないかというくらいぐりぐりやっていた。色んな角度に顔を傾けながら、一つのこらず綺麗にしてやろうというように。
もうひとつは、マンションの入り口からエレベーターに乗るまで後ろに付いてきていたやはり小学生の鼻息がすごく荒かったこと。
ゴムホースみたいにぶぅぶぅすうすういっていた。
子供っておもしろい。
今から子供の教えだ。
やっと梅雨らしくしっとりした空が戻ってきた。
昨日の夜感じた海の匂いのおかげで本当に夏が恋しい。
ハイビスカスの夏。蝶の夏。大きなオウムの夏。目を閉じて思い出すあの庭園から入口の感じは多分植物館だ。もう全く趣味の合わない、忙しいはらはらを思い出す。
夜の海にまた会いにいきたいな。
じわじわ迫るこの気持ちをなんて表現したらいいんだろう。
現実の一番苦しいところをうまく棚上げして誤魔化すことがうまいのはきっと普段いい子ぶっているからだ。元気な振りや楽しい振りは本当に私を元気に楽しくしてくれているから。でも、今は振りをしなくてもいい。
ホントはどこかで嘘をついているのかもしれないけれど。
最近おかしかったこと。
電車の隣に座った私立小学校帰りの子供が宿題をやりながら一心不乱に鼻をほじっていたこと。
穴が伸びて広がってしまうんじゃないかというくらいぐりぐりやっていた。色んな角度に顔を傾けながら、一つのこらず綺麗にしてやろうというように。
もうひとつは、マンションの入り口からエレベーターに乗るまで後ろに付いてきていたやはり小学生の鼻息がすごく荒かったこと。
ゴムホースみたいにぶぅぶぅすうすういっていた。
子供っておもしろい。
今から子供の教えだ。
ベランダの外は海の匂い
忙しくなってきた。
あと一週間で友達は余所の国へ。
昨日のネイルアートに引き続き来週はゲルマニウム温泉に行き体の中を綺麗にしにいく。花嫁に予定を合わせていると自分も綺麗になれそうだなぁ。成田にも見送りに行くし。18年間も友達でいたのなんかこいつしかいないから、送り出してあげないと。
それから稽古というかオーディションがあるのでその分バイトをいつも休みの水曜と土曜に回す。
…ということは、来週は一日も休みがないんだ。
舞台の振付けもまだ終わってないし。
一日一日ちゃんと予定を確認しておかないとぽっと抜けてしまったりしかねないから気を引き締めないと。
今までだらけていたツケかな。
今日は裁縫仕事をたくさんしたのだけれどやっぱり衣裳を扱っているせいかそんなに不安はない。よかった。踊りも家事に役にたってた。
社員が50人近くいてその人たちの服を直すのはもうほんと、大変な仕事だ。頼むよ。何でも屋さんじゃないから。でも事務って何でも屋さんだよな…まるでみんなのお母さんだよ。
楽しいけど。
明日こそ少し早く行こうかな。今日たっぷり寝て、明日はレッスンまで行きたい。埼玉と東京を2往復することになるけど。ハァ。
久しぶりにカサンドラ・ウィルソンの『ムーン・ドーター』を聴いた。12曲目の「ハーウ゛ェストムーン」が好きだ。
ハーモニクスが月の光みたい。
月の光を浴びよう。
耳を澄ませて。
- カサンドラ・ウィルソン
- ニュー・ムーン・ドーター