こんにちは。
行徳の訪問マッサージ師 田口です。
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脳梗塞を発症したAさん(70代男性)は、左片麻痺(かたまひ)の後遺症がある患者さんです。
片麻痺とは、体の右(or左)半身が麻痺する症状で、脳梗塞や脳出血の代表的な後遺症です。
Aさんは自力で歩くことはできませんが、寝た状態から起き上がって座ることはできます。
寝た状態から起き上がって座る動作を、『起居動作』(ききょどうさ)と言います。
Aさんの起居動作には特徴があります。
両足を振って反動を付けて、腹筋の力で一気に起き上がるのです。
片麻痺でも、それだけ力を使えることは素晴らしいことです。
しかし私は「もう少し楽に起き上がる方法」を提案しています。
みなさんは朝、どのように起き上がりますか?
ベッドから起きる動作を想像してみてください。
体をまず横向きにしてから、腕でベッドを押すようにして上半身を起こすかと思います。
たぶんこれが、最も力を使わずに起き上がる方法だと思います。
Aさんは左片麻痺なので、横向きになる場合は右肩が下になります。
下になった右腕でベッドを押すことになるのですが、横になった瞬間の位置が悪いと、右腕をうまく使えなくなってしまいます。
その対策は、横向きになったと同時に、先に両足を下へ降ろしてしまうことで解決します。
こうすれば両足の重さが下向きにかかるので、てこの原理で上半身が軽く浮く感じになります。
上半身が軽く浮けば、下になった右腕もうまく使えます。
人間の両足の重さは、その人の体重の約40%を占めます。
うまく使えば、楽をすることができるのです。
実際にAさんにやってもらっていますが、なかなか感覚がつかめない様子です。
しかし慣れれば、こちらの方がはるかに楽だと思います。
「腹筋を使って起きられるなら、それで良いではないか」と思う人もいることでしょう。
確かに力があるなら、やり方を直す必要はないかもしれません。
ただ腹筋を使う瞬間に、全身にグッと力が入ってしまいます。
これが片麻痺の患者さんには、あまり推奨できないことなのです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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