こんにちは、行徳の訪問マッサージ師 田口です。
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人は脳卒中を発症すると、多くの場合に後遺症が現れます。
後遺症の中でも、体の右(or左)半身が麻痺してしまう『片麻痺』(かたまひ)は、脳卒中患者さんの大多数に見られる症状です。
仮に今みなさんが、左片麻痺になったとします。
左半身を動かすことができず、右半身しか使えません。
その状態で、ベッドに仰向けで寝ています。
ここからベッドに起き上がって座りたいのですが、左右どちらへ向かうでしょうか?
左側が動かせないので、右側へ向かいますよね。
それが自然な体の使い方です。
脳梗塞を発症したAさん(70代男性)は、左片麻痺(かたまひ)の後遺症がある患者さんです。
介護用ベッドを使用していますが、体の”左側”が開いています。
つまり、通常とは逆ですね。
お宅の部屋のつくり上、こうせざるを得なかったのでした。
Aさんは腕の麻痺が比較的軽かったため、それでも器用に自力で起き上がっていました。
”慣れ”がなせる技ですね。
ですので私も、敢えてそのままにしていました。
ところが先日、事情があってAさんは引っ越しをしました。
新しいお宅でも、やはり介護用ベッドを使用することになりました。
今度は逆に体の”右側”が開いた位置にしか、ベッドを置くことができません。
でもこの位置こそ、本来は自然な方なのです。
しかし今までの慣れが、逆に作用してしまいました。
本来自然に起きられる方向への体の使い方がわからず、自力で起き上がれなくなったのです。
これは無理もありません。
例えて言うなら、車の運転が右ハンドルで慣れていたのに、急に左ハンドルを扱わなければならないようなものですから。
頭で理解したとしても、体がついていかないですよね。
Aさんから「起こしてくれ」と助けを求められました。
ここで私が力を貸して起こすことは簡単ですが、安易に行うと、Aさんのためになりません。
これから毎日この方向へ、起きなければなりませんからね。
考え方によっては、良い機会です。
今までの起き上がり方こそ、不自然な方法だったのですから。
自然なやり方へ戻すチャンスです。
後は一緒に、反復練習していきましょう。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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