大病を患っていたため半年ほど記事をサボっていた。1ヶ月半の間に3回入院し2回手術を受けたため体力・気力が低下していたが、やっと記事が書けるぐらいの元気が出てきたので久々に更新する。とりあえず復帰第一弾は軽めのテーマにする。
Dappi事件の進展
Dappi事件とは、2020年10月に森友学園をめぐる公文書改ざん問題に関連した事実無根の内容をTwitterに投稿し、野党議員を誹謗中傷したとして裁判になった事件。誹謗中傷問題というより野党を攻撃する政治的な書き込みに特化した内容が問題視され、当ブログでも以前に採りあげている。
2023年3月に、東京地裁が被告側へ「投稿者の氏名」を開示せよという命令を出したにもかかわらず、被告側が命令に従わなかったことが明らかになった。2023年6月26日、東京地裁で被告の会社の専務と社長への本人尋問があった。原告側の弁護士から誰が投稿したのか質問された専務は「人物を特定しないように、という社長の指示に従います」として命令を拒否したらしい。この社長の指示の意味は「特定しないように」ではなく「特定されないように」ではなかろうか?
☞ Dappiの投稿者は誰? 被告企業の社長が開示拒否「いろいろな嫌がらせが想定されるので」【東京地裁の尋問】
(株)ワンズクエスト側が開示命令を拒否する理由として、Dapp個人が特定されると「嫌がらせされるため」などともっともらしい言い訳を挙げている。そもそもDappiの書き込みが嫌がらせなのに自分らが嫌がらせは嫌だということか。だが、裁判で投稿者の氏名を開示しても、ただちにそれが世間に公表されるとは考えにくい。裁判長もそれらが正当な理由ではないと判断している。
新谷裁判長からも弁論の終盤に「証言を正当な理由なく拒絶すると、反対当事者の主張が真実と認められるが、それでもいいか」と質問されたが、社長は「はい」と答えた。
裁判所の命令を拒否したのは、Dappiを法廷に引きずり出すことをなんとしても避けたかったのだろう。社長自身が泥をかぶったとしても、それより上にいる層を護る目的に他ならない。命令の拒否は裁判官の心証を悪くするし、余計な憶測を招くことにもなる悪手と言える。Dappiの背後関係によほど不都合なことがあったのだろうと…
社長より従業員を護る理由
(株)ワンズクエスト側は「従業員(Dappi)が私的にやったこと」と説明していた。つまり、役員を含む社員または業務委託を受けた者と推測されるが、そのDappiが社長より企業より重要な立場なのかという疑問が湧く。本来なら「社員XX(実名)は、勤務時間中に社用PCを無断使用し根拠もなく国会議員を誹謗中傷し、当社の社会的信用を著しく毀損した行為により懲戒免職に処す」ぐらい厳しい処分ぐらいになって当然じゃないだろうか?ところが、Dappiに対する処分は口頭による懲戒処分で済ましており、書面がない減給3ヶ月処分とは怪しいものだ。
☞ 「懲戒処分は口頭で…」 Dappi発信元のWEB制作会社が裁判で新主張。仕事中に「私的に投稿」の従業員に対し
Dappiが個人的に行った行為なら、会社のIPを使って就業時間中に野党を貶める書き込みが常態化した不良社員ということだ。本来なら懲戒免職ものの不良社員より会社の名誉を護ろうとするはずだが、不良社員を擁護するのは不自然だ。この会社が職務として書き込みやらせていれば不良社員を擁護しても不自然ではないが。
Dappiの書き込みで誰が得するか考えれば話の筋が見えてくる。このWeb制作会社は自民党東京都連から計約404万円の業務を請け負っていたことが報道で判明しており、Dappiの投稿との関連性が疑われていた。この会社にとっては社長より企業よりエライ神様と言えばクライアント様なのだろう。
この裁判で、原告側弁護士からの質問に「自民党東京都連から仕事を受けたことがあります」と社長が認めている。また、Facebookに投稿したことも認めている。
一方で「会社としてTwitterへの投稿を請け負ったことはあったのか?」という質問に対しては「Facebookはありましたが、Twitterはありません」と回答。Dappiのアカウント運営を会社の業務として引き受けた可能性を否定した。
会社としてTwitterでの投稿は認めなかったがFacebookには投稿していたという。いずれにせよ、ネット情報を扱う企業がSNSに投稿していたことが分かった。自民党が世論操作活動を行っていることはすでに知れ渡っていることだから「やっぱりか」という印象しかないが。
名誉毀損に矮小化して逃げ切る構え
開示命令を拒否して裁判で負けても、世論操作疑惑という政治問題案件を名誉毀損に矮小化して泥をかぶって賠償金を払って済めば勝ちとでも思っているのだろう。つまり名誉毀損よりもっと重大なことを秘匿したほうの利益が大きいと考えたのだろう。だが、裁判所の命令を拒否することで、疑惑レベルから確信レベルへとステージが上がることになった。
だいぶ昔に、証言を拒否するために飛び降り自殺して政治家を護った企業の役員が描かれていたマンガを見た事がある。自分の身を犠牲にしてまで「神様」を護るという行動はどう見ても美談ではないし正義とも言えない。しかし、21世紀になっても日本では企業の上に不明朗な「神様」が君臨しておられるのだろう。
この裁判の判決は10月16日という。



















