1721.鳴らすことの先にあるもの
人はいかに鳴らすか?という意識で大概は弾いている。そもそも鳴らすこと自体困難なことでそれに手が届く人は稀だ。でも、実は鳴らすことができた先に待っているものがある。それは どう消すかだ。鳴らせて初めて、次の段階である音を消すことに意識がいく。写真があるとしよう。そこには人が写っている。正面から写っているのもあれば後ろ姿が写っているものもある。私は両方を比べる時、後ろ姿の写真に何かを感じるし、惹かれるような気がする。その後ろ姿にその人の本質、今までの生きざまが反映されている。背中に喜びも哀しみも感じることができる。それは、つまりは生より死だとも思う。この世から消え去る美学とでも言おうか。それこそが芸術の本質だと思う。