郷土愛バカ一代! -3ページ目

哀号! ピストン藤井、フラれるの巻。

でーん!(←富永一朗先生がオッパイの絵を出すときの要領で)

郷土愛バカ一代!

地球のみんな~! ピストン藤井だよ~!
1か月もみんなのこと、ひとりぼっちにしててゴメンネ☆
ピストンおばさんは……って、なんか“ステラおばさん”みたいなノリになってるけど、
でもクッキーは鳩サブレ限定だし、本当は塩辛のほうがだいぶん好物だよ。
ともかくピストンおばさんはね、断筆中の1か月に何をしていたかと言うと、この素敵な
ブログを読まれてしまったせいで、会ったことも話したこともない見合い相手から
瞬殺でフラれてしまい、そのショックから抜け出せずにいたんだよ!
いや~長かった…。思いのほか引きずった…。

せっかくうちのオカンが、八つ墓村の要蔵さんばりに「キエーッ!」と半狂乱で、
村のアチコチからかき集めてきた良縁を、このブログのせいでドブに捨ててしまったの。
土俵にあがる前の股割稽古で、すでに股裂け。戦わずして、すでに落ち武者状態です。

相手の方はご丁寧にプレゼン資料を一式よこしてくださったのですが、
わたくしめは「ブログでも読んでくださ~いホジホジ」と鼻くそほじりながら適当に対応
してしまった、そのバチが当たったんでしょうね。
実際にこのブログをお読まれになったその殿方は、
ジャンジャンバリバリ、ピーヒャラピーヒャラなドン引き祭を引き起こし、
わたくしを置き去りに遠いところへ行ってしまわれました…。
まっとうな人間なら正しい判断です。

それにしても知らない人から一方的にフラレるのは、おやまあ、けっこう傷つきます。
黄色のトランクに『しらけ鳥音頭』のレコードだけをしたためて、
尼寺へ出家しようかとも思いました。
でも実のところ、ペンをステージに置いて普通の女の子に戻っていた理由が、
見合い相手にフラレたショックで、というよりも、ただ単に
「カラムーチョを食べながら生ビールを飲むのに多忙を極めたから」ということは、
ここだけの秘密にしておいてください。

おか~たま! こんな親不孝な娘でゴメンなさい…。
おか~たま! こんな私を生み育ててくれてありがとう…。とほほ。

いや~ほんとにすこぶる評判悪いわ、このブログ。確かに私がスネオのママだったら、
スネちゃまの見合い相手に、こんなブログをやっている女ヤモメを選びたくはない。
なんかね、ツーン!と匂い立つんですって、腐乱臭が。
ってかフェロモンの間違いじゃな~い? 困ったな~どうすっかな~。
ま、いっか。

というわけで祝☆復活『郷土愛バカ一代!』、まもなくスタートします!
ってか今、スタートしないことに我ながらビックリ。
前フリ長いのはご愛嬌。

郷土愛バカ一代!

↑先月、22歳(仮)の誕生日を迎えたピストンに、友達が旦那と一緒に選んでプレゼントしてくれたTシャツ。過酷な日常から逃避したいとき、または恋人とソツなく別れたい時に着用するのがベストだと思われます。くれる方もくれる方ですが、もらう方ももらう方です。この手のものを未だに贈られて喜ぶから、オラぁ、いつまでたってもダメなんだなぁ。モデルは久々の登場、ピストン藤井の妄想彼氏エチオピアくんです!ちなみにエチオピアの後ろにあるトロフィーは、記念すべき20歳(仮)の誕生日に、イケメンからプレゼントされた“ちびっ子相撲大会”の優勝トロフィー。テンションあがった。

居心地の悪い店へようこそ

富山のみんな~! レッドスネークカモ~ン!
ほぼ1カ月も放置プレイしちゃったけど、みんなアタシのこと覚えてるかなぁ?
ほらほら、カーマホームセンターで「ねえちゃん!そこの堆肥!堆肥4つちょうだい!」
って、知らないババアに牛糞をせがまれちゃったアタシよ、ア・タ・シ。
だーかーらー、小粋なパリのオシャレっ子「ジーン・セバーグ」に憧れてベリーショート
にしたら、獰猛な幸楽の鬼っ子「赤木☆春恵」になっちったアタシだってば!
そうそう、巨人、大鵬、ピストン藤井よ。

さて今回はTJやTaktやFAVOが絶対に取りあげないであろう、
泣く子も黙る“居心地の悪い店@富山”を紹介したいと思います。

富山はもともと新鮮な食材に恵まれているからか、ネタになるほどのゲロ不味い店
というのはあまり存在しません。あったとしてもすぐに潰れるんでしょうね。
不味い店を囲ってやるほど、富山県民はお人よしじゃねえよ。
なのでここでは、メニューが不味いということよりも、
「とにかく今すぐここから逃げ出したい。今すぐダッシュで家に帰って
“ためしてガッテン”でも見ながら、出前一丁を食べて心穏やかに過ごしたい」。
そんなメロウな気分にさせられるお店をご紹介させていただきます。

不肖・ピストン藤井、元来のへっぴり腰ゆえ
店名は仮名でお届けすることをご了承ください。

記念すべき一軒目は、富山駅前の老舗居酒屋・It's 寂聴(仮名)です。
年季の入った店構えに、年季の入った旧・かしまし娘たちが店を切り盛りしてる様子は、
なるほど串焼きの名店ぽい。平成生まれ出禁!な昭和汁ツユダクなこの店だったら、
きっとブギーなナンバーを聴かせてくれるに違いない!
そう確信したんですが・・・まずここ、オーダーがまったく通りません。
居酒屋の最初の門戸「とりあえず生!」が、全然開いてくれません。

一杯目の生中がきたのが30分後で、店自慢の串焼きにいたっては1時間で1本だけ。
どいひー。3人のババアにシカトされ続けることの屈辱を、初めて思い知りました。
なにもサグラダファミリアを作れって、ムチャぶりしてるわけじゃないのよ?
単に串を焼いてくれって言ってるだけなのよ。
「うちは注文されてから裏庭で鳥をシメるんですよ!」とか
「注文されてから海女が潜ります!」とかだったら、そりゃあ全然待ちますよ。
1時間待ったかいがあるでしょうよ。
さぞかしこだわり抜いた、女の情念が絡みついたような魂の1本であればまだ許すし、
とことん不味ければ、ちゃぶ台をひっくり返すことで溜飲を下げることもできたのですが、
至ってフツーにそこそこの串焼きだったので、なんか、もう、何これ。どうすればいいの?
こういう「ノーと言えない味」は、アタシ、大嫌いよ!

宴会が入ってて忙しかったようですが、それにしても時間かかりすぎだろう。
「あの・・・まだですか?」と何度も聞くのですが、そのたびに、接客ババア1号が
逆キレ気味に「あのねぇ…まだって言ってるでしょう?(怒)」と言う始末。
入店45分後ぐらいに、ついに“山室のアッコ”“山室の巨神兵”と周囲から恐れられる
私のツレが、キャッチャー・ミットみたいなデカイ手で机をバーン!と叩きつつ
「串1本焼くのに、どんだけ時間かかっとんねん!」と、生まれて初めての正論を
エセ関西弁でまくしたてたんですが、「ふー。物事には順番ってもんがあるでしょう?」
と、なぜかババア・サイドが呆れ顔。えー、意味わかんないんですけど。
そのヤレヤレっていう顔が、ラサール石井が真似する橋田壽賀子こと“橋田スカ子”に
激似で、こうなりゃ逆にとことん好きになってやろうかとも思いました。

後で知ったのですが、藤井家家長であるオカン(特技はモンゴルのホーミー)も、同店で
同じような目にあって「もう二度と来るか!」と捨て台詞を吐いて出てきたそうです。
母娘二代にわたり、敗北を喫しました。ぢっくじょー!
でもなぜかここ、繁盛してるみたいなんだよな~…WHY?
ただ、腹をすかせて泣いている我々を不憫に思ったのか、カウンターのご婦人が、
「これでも食べて」と、じゃがバターをおすそわけしてくれたのが唯一の救いでした…。
あのじゃがバターの味と、橋田スカ子の顔は一生忘れません。
あ~思い出したら、またムカついてきた…とりあえずガリガリ君食って落ち着こう。
さーて次回の「居心地の悪い店」シリーズは…
「うちの店、14時までなんですけどぉ!@利賀村」
「ヒロアキ激憤!“はがやしいカレー”@太閤山」
「戦慄!ジャズマンだらけで四面楚歌@総曲輪」の三本です。

郷土愛バカ一代!


↑ 藤井家家長に君臨する大いなるババア☆明美。ピストン土産のレディ・ガガの
 Tシャツを着てご満悦。でもその格好で病院に見舞いに行くのはどうかと思うぞ。

A先生にケツバットされるの巻



  海がわれるのよ~

郷土愛バカ一代!

  道ができるのよ~

郷土愛バカ一代!

  ふふふふふふふふ~ん

郷土愛バカ一代!

  かむさはむ~にだ~

富山県民のドン・コルレオーネ☆藤子不二雄A先生の生家である氷見の光禅寺では、
座敷で「忍者ハットリくん」を鋭意制作中の安孫子先生が拝めます!
(※床の間の“竹輪だわん!”獅子丸も必見)

$郷土愛バカ一代!

↑どうですか。この芦田愛菜ちゃんや上野動物園のパンダに迫る愛くるしいフォルム。
そして新沼謙治と双璧をなすかのような、きっと朴訥そうな田舎っペ好青年ぶり。
大御所にもかかわらず、思わずうまい棒のひとつやふたつ買い与えたくなるような
末っ子オーラ全開です(実際は長男ですけど)。
梶原一騎や本宮ひろ志じゃ、こうはいきません。間違いなくカツアゲされますから。

郷土愛バカ一代!

↑無防備すぎる背中。「あびこ~!後ろ~!」 そして妙に癒される…。好き。

さらにはA先生が鎮座するその机は、あの! あの! あのねのね! の手塚治虫大先生
から直々に献上してもらった、モノホンの御神体机でございますだわん!
この座敷にお邪魔させてもらったときは、あまりの感激にチビビビーッと3、4滴ほど
お漏らししてしまいました…が、寺の奥さんにはばれませんでした。

続いての紹介は、光禅寺の近くにあるA先生の美術館「潮風ギャラリー」。
ここでは常時、A先生の複製原画などの貴重資料が展示されております。

郷土愛バカ一代!


安孫子先生による自叙伝漫画『まんが道』は、漫画家などのクリエイターだけでなく、
爪楊枝で大阪城を作ってたとか、米粒に絵を描いてたとか、あやとりで東京タワーを
作ってたとか、1円にもならないわりとどーでもいいものを夢中になって作った経験が
ある人、すべてに捧げる大傑作コミックです。
まだ読んでいないという富山県民の人は、なんで読んでいないのかを25文字以内に
端的に述べて、明日までに私に提出してください。
上の写真は、『まんが道』でわたくしが最も号泣した場面です。
まだ小便臭い高岡の学生だった才野(F先生)と満賀(A先生)が、
自分たちで勝手にお手製のマンガ雑誌を作り上げたシーンなのですが、
彼らは誰に見せるわけでも、ましてや売るわけでもないのに、ただただピュアな
表現衝動に突き動かされてマンガを描き、さらにはありもしない偽の誌面広告まで
自分たちでこしらえて、雑誌を完成させます。
めちゃくちゃ大変そうだけど、めちゃくちゃ楽しそう。
そんな彼らの奮闘ぶりに、ええいあーもらい泣き。

モノづくりの楽しさと厳しさを垣間見た彼らは、ここから、
自分の頭の中だけの妄想を、最大のライバルにして最高の同志との化学反応により、
自分自身の箱庭すらも凌駕するファンタジー“まんが”へと昇華させていくのです。

毎回『まんが道』を読み返すたびに、優しい笑顔のままのA先生とF先生に、
思いっきりフルスイングでケツバットされたみたいな気分になります。
「しっかりやっとるんけ!?」みたいな。わりとオラオラな感じで。
私もいつか満賀たちのように、チューダー(寺さん考案の焼酎+ソーダー)で
祝杯をあげられるような、自分で自分を褒められる素敵な有森裕子になりたいです。

というわけで富山の呉東地区にお住まいの人は、飽きもせず某ファボーレに行くのは
そろそろやめにして、A先生の生家や、ギャラリー、愉快なカラクリ時計や
モニュメントが楽しめる氷見の「まんがロード」に行きましょう。



ついついガン見してしまうもの

みんな~!あんれ気の毒な~!

ピストン藤井あらため、でーたらぼっち藤井です。
1週間ぶりだけど、みんな元気にしてた?
私はこの1週間、有働アナのワキ汗についてずっと想いを馳せていたよ~!

さて、みなさんにはついついガン見してしまうものってありますか?
私はこの間、『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』という映画で、
佐藤寛子と竹中直人の濡れ場をガン見しすぎて、ドライアイになりました。
あとガン見した記憶といえば、太古の昔、ある殿方とおデートしたときに、
「君、目ヤニがついているじゃんか~!も~だらしないな~」と私を叱責する
そいつの右鼻から出ていた束状の鼻毛、とかでしょうか。
ああ……恋はいつだって甘じょっぱい。

♪ひ~とみ~、そらさな~いで~(DEEN)
そんな瞳と心をとらえて離さないもの、それがガン見です。

最近、自転車に乗っている人ばかりをガン見します。
自転車をこぐ人の表情に、いちいちハッ!としてグッ!ときちゃうんです。
自転車をこぐ人とすれ違うたびに、武者震いが止まりません。
「くるか…くるか…き、きたー!」といつも心の中で大声を張り上げます。

自転車をこぐ人たちは、かなりの高打率で半笑いです。
風が心地良いのでしょうか、それともチョメチョメ妄想しているのでしょうか。

郷土愛バカ一代!-011

あと中学生男子は、今も昔も、手放し運転がカッコイイと勘違いしています。
最近も手放し運転しながら、ケータイで話す中坊を見かけました。
上半身からみなぎる「俺、デキルっしょ?」的なモテリーマンっぽい全能感と、
バランスを崩さぬよう「シャカシャカシャカ!」と必死にペダルをこぐ、
せわしない下半身のどうしようもない小便臭さとが絶妙で爆笑しました。
自転車をこぐ間にも電話しなくちゃならないほど、お前は忙しくなんかないだろう。
デイトレとかやってないだろう。どうせ電話の内容だって、
「お前、ジャンプ買った? ちょー俺にもみして!」とかだろ?
あんたたち学校で話しなさい! おかーさん、怒るよ!

それと特に雨の日には、HOW MANY いい顔の獲物にありつけます。
雨風が激しければ激しいほど、モアベターです。
「なぜ、そこまでして自転車をこがねばならぬ?」
「ってかこんな台風のときに外に出るなよ!」と思います。

郷土愛バカ一代!

きっと、磔にされてる竹馬の友が待ってるんでしょうね。
そんな勢いの形相です。がんばれ!

こんな人↓にも出会いました。
私は車を運転していて、前方に後ろ姿のアレがいたのですが、
どんどん輪郭くっきりにアレが近づいてくるのにはテンションあがりました。

郷土愛バカ一代!-013

このリュック、ほしいわ~。200円ぐらいで。

それでは最後にココ一番グッときたコンビネーションで〆たいと思います。
2人の子供を前と後ろに乗せ、子供のおもちゃと思しき巨大な剣を片手に
ペダルをこぐお父さんの図です。

郷土愛バカ一代!-014

このお父さん、たぶん今からラスボスのゾーマ戦に挑むはずです。
なんか「お前たちはお父さんが守る!」って感じで泣けました。



※注意! 今日はガチです!『マイ・バック・ページ』

皆様、おひさしぶりぶり~!ピストン隊長です。
ヤングドーナツ食べたり、よっちゃんイカ食べたり、金ちゃんヌードル食べたりして、
自分探ししている間にこんなに時間がたってしまいました。
二週間もご無沙汰していたら、自分のキャラを痛快なまでに忘れてしまったので、
そのほとぼりが冷めないうちに、書きたいことを書いてみようと思います。

朝日新聞の元・編集員であり、評論家として活躍する川本三郎の自伝的小説を、
気鋭の若手監督・山下敦弘が、妻夫木聡、松山ケンイチを競演に迎えて映画化した
『マイ・バック・ページ』。
四年に一度稼働するピストン隊長の千里眼が「絶対に見ろ!」と反応し、
カップルと家族連れで溢れかえる土曜のファボーレ富山を、「悪い子いねえがあ!」と
秋田ナマハゲの要領で蹴散らしながら鑑賞してきたしだいです。

郷土愛バカ一代!

ベトナム反戦運動、全共闘運動が激化していた60年代末から70年代初頭を背景に
過激派の学生活動家・梅山と、若手ジャーナリスト・沢田の出会いが引き起こす、
衝撃的事件の顛末が描かれていくのですが…。
わたくし、久しぶりに「え、えぐっえぐぅう!」とドブ色のあえぎ声をもらし、
ポップコーンをぶちまけながら号泣してしまいました。

1969年、学生政治団体・全共闘が、大学解体・国家権力の打倒をめざし、
東大安田講堂を占拠した“東大安田講堂事件”。この事件は警察側に陥落させられた
ことで終焉を迎え、安保闘争を発端とする全共闘運動は急速に失速していきます。
その代わりに台頭してきたのが、武力闘争に傾いた、内ゲバといわれる集団リンチも
起こすような過激派でした。物語はここから始まります。

かつて東大生として、安田講堂が陥落させられていくのを側で見ていた
新米編集者の沢田は、真のジャーナリストを目指すべく活動家の動向を追っていた。
そんな折、沢田の前に、革命のためなら暴力も辞さないという過激派の学生活動家の
梅山が現われる。「世界は変えられる」と革命に闘志を燃やす梅山のエネルギッシュな
姿に惹かれた沢田は、“思想犯”である彼に単独取材を申し込む。
立場は違えど、安田講堂に感化された同世代のふたりは奇妙な交流を深めていくが、
独善的に突き進む梅山の革命は、やがてひとつの悲劇的事件へと着地してしまう。

「世界を変えたい」と願い、権力に反旗をひるがえすピュアかつ危うい初期衝動。
「世界を変えられるわけがない」脆弱すぎる革命をヤケクソに貫き通そうとする信念。
空っぽのくせして、思想犯としてハッタリをかまし続ける逆ギレのテンション。
世界がどうこうとか国家権力がどうこうの大義名分を掲げながら、
何者でもない自分を全力で否定しようと躍起になる梅山は、
革命という名のオナニーに、シコシコ励むニキビ面の兄ちゃんにしかすぎません。
でもそんな近所のアンちゃんが、単なる時代の傍観者でいることを恐れ、
自分の存在証明を刻印せんともがく姿は、どうしようもなく痛く泣けてきます。
そして同世代の仲間が蜂起した革命を、ただ安全地帯から眺めているだけの自分に
苛立つ沢田自身も、梅山と同じようにもがき続けています。
革命ってなんだろう、思想ってなんだろう、本物ってなんだろう、自分は誰なんだろう。

狂騒的な高揚感や、現状を打破せんとする使命感。
何も成し遂げられてない焦燥感、払しょくできない閉塞感と空虚感。
そんなあらゆる憤りや感情が、物語の至る所に散らばり、それぞれがドクドク
と激しく脈打つ中で、ラストの沢田の慟哭が、一気にそれらを収束していきます。
ひとり言のようにつぶやく沢田のセリフには、沢田と梅山が犯したことへの罪深さと、
何かを信じようとした彼らの青春の残像を突きつけられた気がして、
涙が止まりませんでした。

私はあの時代の“怒れる若者たち”が主張する全共闘、民青、革マルだとかの各派の
イデオロギーもよく知らないし、彼らが心酔していた革命家に対しても
「毛沢東って、うちの町内会長の田中さんに顔似てるよね?」ぐらいのノリでしかない。
あの時代を肯定するでも、否定するでもないです。
それでもこの物語に描かれていたのは、私自身が今も抱え続けている青臭い憤りや、
一方ではすでに失くしたものへの憧憬だったり、何かを信じて裏切られたり、
裏切ったりしたものへの鎮魂歌だったりするわけです。
たやすく共感したとは言いたくないですが、客観的に事実として観れたわけでもなく、
思いっきり自分の極私的なものにリンクしてしまいました。
そしてこの作品を、山下敦弘監督、向井康介脚本、妻夫木聡、松山ケンイチという、
私と同世代のスタッフ&キャストが作ったということが、大きな衝撃でした。

郷土愛バカ一代!

松山ケンイチは相変わらず憑依型のスゴイ役者だったんですが、
妻ブッキーの演技はうまい下手とかではなく、熱く伝わるものがありました。
脇役の配役も抜群だったし、CCR「雨を見たかい」や、真心&民生によるディランの
カヴァー曲「マイ・バック・ページズ」も、すごくドストライクだった。
「♪ああ、あのころの僕より、今の方がずっと若いさ~」
なんて歌われたら泣くよ~。そりゃ泣いちゃうよ~!!!

自分は何を信じ、何のために生きるのだろう。
その答えのでない命題に、また取り組む勇気がわいてきました。
本当に素晴らしい作品でした。
『マイ・バック・ページ』、ファボーレ富山で、17日まで上映中です。
はい、ここテストに出るから絶対に見とくように。必須項目よ~! 急げ!
http://mbp-movie.com/