肝炎のNASH?NAFLD?アルコール? | 気ままな管理栄養士の勝手にアウトプット

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今までで学んだこと・復習したいこと等を気ままにアウトプットしていきます。
※ほんとに気ままに発信しているので、参考になるかどうかはご自身で判断下さい。(責任は負いかねます…。)

アルコール性肝炎と非アルコール性脂肪肝炎…

いやぁ、学生時代も勉強したっけなぁと思うんですけど、NASHかNAFLDかどっちがどっちか忘れちゃうんですよねー

 

新しい事覚えると、どんどん抜けていくような感覚で、若干焦っている最近この頃のワタクシでございます。笑

 

 

…そんな前置きはどうでもよくて。

今回はアルコール性肝炎と非アルコール性脂肪肝炎、この2つは肝炎の組織像が似ているらしく、よくセットで名前がでてきます。

 

生活習慣と密接に関わる疾患で、患者さんでも見かけることがありますし、復習していきたいかなと思います。

 

本記事は、筆者が独自で調べたものに加え、管理栄養士として働いた経験を併せたものです。出来る限り根拠のある情報を心がけていますが、筆者自身の誤解や知識不足により間違いがあるかもしれません。この記事を見てそのまま何かに活用したり、判断したりすることはオススメしません。

 

  アルコール性肝炎

アルコール性肝炎とは、その名の通りアルコール由来の肝炎で、たくさんお酒を飲んでいる方が発症します。

 

沈黙の臓器とも呼ばれる肝臓ですが、このアルコール性肝炎では肝臓が腫れ、右上腹部に痛みが出ることもあるよう…。

また、黄疸や尿の色が紅茶色になったり、ひどいと腹水やら浮腫もおきるそう。

 

血液検査的には

  • HDL-コレステロール↓
  • Alb(血清アルブミン)↓
  • ChE(コリンエステラーゼ)↓
  • AST↑
  • ALT↑
  • γ-GTP↑
  • TG(中性脂肪)↑軽度
  • WBC(白血球数)↑
 
こんな感じ。
 
アルコール性でも「重症型アルコール性肝炎」というものがありまして、これになると、救命率が低いかなり重い状態になるとのこと。

 
ちなみにアルコール飲んでる=アルコール性肝炎ではないです。
ただ、アルコール性肝炎を繰り返しているうちに肝硬変→肝がんへ移行する可能性があります。
 

あとたくさんお酒を飲んでいるといいましたが、その「たくさん」とはどれくらいか。

【たくさんお酒を飲んでるとは】

純アルコール換算(飲酒量×アルコール度数×0.8比重)で60gの常習飲酒(多くは5年以上)と定義されています。

※女性とアルコールに弱い人は40g程度でもアルコール性の可能性があります。また、国や学会によって基準には差があるもよう。

 

〇出典:日本消化器病学会

 

  非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

非アルコール性脂肪肝炎はNASH(nonalvoholic steatohepatitis)と言います。

生活習慣的の乱れ(過食・運動不足・肥満など)や糖尿病・脂質異常症等と合併した脂肪肝により肝炎を起こしてしまう疾患。

このように非アルコール脂肪性肝が進行、悪化した状態をNASHと呼んでいます。

 

アルコール飲んでなければ非アルコール性ですが、アルコールもあって過食もあって、みたいな感じでダブっている場合もあるそう。(そりゃありますよね。お酒飲んで食べてあれれれな人も。)

 

血液検査的には

  • HDL↓
  • PLT(血小板数)↓
  • TP(総たんぱく質)↓
  • Alb↓
  • AST↑
  • ALT↑
  • γ-GTP↑軽度
  • TG↑軽度
  • ChE↑
  • 肝癌マーカー〇(AFP及びPIVKA-Ⅱ)

脂肪肝になったら痩せりゃいーじゃんみたいに思われるかもしれませんが、そもそも脂肪肝になったらその状態がよろしくない。

こいつはアルコール性肝炎と同様に、肝硬変→肝がんを引き起こす可能性があります。



ちなみに、脂肪肝については別記事に載せていますので、短い駄文ですがご興味ある方は↓



  NAFLDってなん?

NASHと非常に似ているローマ字が並んだNAFLD。

こいつはなんなのか。

 

これは非アルコール性脂肪肝疾患のことで、 nonalcoholic fatty liver disease の略です。

非アルコール性による「脂肪肝から脂肪肝炎や肝硬変に進行した状態までを含む一連の肝臓病」のことを言います。

 

つまり、NAFLDという肝疾患の中にNASHがあるっていう感じですね。

実に分かりにくいw

 

文字数多い方が大枠であると覚えらことにしましょう。(忘れちゃってもNなんちゃらは、非アルコール性だなぁ位でいいかもですね。笑)

 

  食事療法ってどうなん?

実際食事でどうにかなんの?っていう話。

アルコール性のアルコール制限は言わずもがな。

 

非アルコール性(NASH・NAFLD)の方はどうでしょう?

 

この辺も改めて調べてみたので、1こずつ。

 

◎NASH・NAFLDに減量はよさそう

体重減少のためにエネルギー制限するのは、病態を改善させるとのこと。ただその栄養素の内訳については、まだ分からないことが多いみたい。

 

◎炭水化物or脂質を制限する

小数例の報告が少ないため、あまり具体的な事は分かんないみたいです。

ただ、炭水化物・脂質制限による効果は両方ともあったもよう。

 

◎ビタミンEはNASHの血液検査・肝組織像を改善させる

NASHによるエネルギー産生に伴い、体内で増加する活性酵素を補足し、脂質・たんぱく質の酸化を抑制するとのこと。

ただビタミンEの過剰投与は出血傾向になる危険性があったりするため、食事摂取基準内の量がよさそうです。

詳しくは、消化器学会のNASH/NAFLDのガイドラインに載っているので、直接みた方がよろしいかも。(出典みてください)


  まとめ

 

今回の話の要点としては

  • アルコール性肝炎はアルコール由来
  • アルコール換算で60g以上の沢山酒飲む人に起こる
  • 非アルコール性脂肪肝炎はNASHと言って脂肪肝由来
  • 過食と運動不足とかがに起こす脂肪肝によっておこる
  • NAFLDは非アルコール性脂肪肝疾患の事で
  • NAFLDの中にNASHが含まれる感じ
  • 食事療法は主に減量が効果あり
  • エビデンスは弱いけど、炭水化物・脂質を制限するのがいいっぽい
  • ビタミンEはとるといいらしいけど、取りすぎは逆によくないから、適量が良さそう
 
簡単ですが、こんな感じでまとめてみました。
かなりざっくり書いてるので、詳しくはガイドラインとかみていただけると良いかなと思います。

 

出典

・eヘルスネット「アルコール性肝炎と非アルコール性脂肪肝炎」

・改定第6版「臨床栄養ディクショナリー」

・日本消化器病学会ガイドライン「NAFLD/NASH」

(閲覧日:2024.4.22)