検証された栄養スクリーニングってなんぞ?〜MNA®️編〜 | 気ままな管理栄養士の勝手にアウトプット

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※ほんとに気ままに発信しているので、参考になるかどうかはご自身で判断下さい。(責任は負いかねます…。)

最近診療報酬でGLIM基準が出て、GLIMに関わる栄養スクリーニングツールも色々と目にしますね。

 

その中で出てくる「MNA®️」や「MUST」と言った検証されているらしいスクリーニング。

 

ワタクシひっかかりました。

「ん?検証されてるやつじゃないとだめなん?」

 

…ダメというか、おそらくはエビデンス命時代において、必須になってきてるってことなんでしょうね、こういうの。

 

そしてまぁ悲しいことに、私がいる病院ではGLIMもそれに付随する検証されたスクリーニングもやってませんで。笑

 

とりあえず、今後何を使うか決まってないので、GLIM基準でのってるやつくらいは、知っときたいなと思います。

 

 

まずは、1番使いそうなMNA®から。

 

本記事は、筆者が独自で調べたものに加え、管理栄養士として働いた経験を併せたものです。出来る限り根拠のある情報を心がけていますが、筆者自身の誤解や知識不足により間違いがあるかもしれません。この記事を見てそのまま何かに活用したり、判断したりすることはオススメしません。

 

  MNA®️とは?

 Mini Nutritional Assessment、日本語で言うと「簡易栄養状態評価表」と言います。

  • 6項目のスクリーニング
  • 12項目のアセスメント

から構成されており、6項目だけだとMNA-SF(short-form)。

全部含めると計18項目あってMNA-FF(full-form)って言います。

 

これからMNA®の中身の話しますけど、もう本体見たいって方は下記リンクへどうぞ。

https://www.mna-elderly.com/sites/default/files/2021-10/MNA-japanese.pdf

 

  MNA®️の中身

先ほどお話した通り、MNAは6項目のスクリーニングと12項目のアセスメントからなります。

各項目ごとにポイント制になっていて、合計ポイントから「栄養状態良好」「低栄養のおそれ」「低栄養」の判定をします。

 

【6項目のスクリーニング】

A.食事量減少はあるか?

B.過去3ヶ月の体重減少はあるか?

C.自力で歩けるか?

D.過去3ヶ月で精神的ストレスあるか?

E.神経、精神的問題の有無

F.BMI

 

最大14ポイントで

12〜14:「栄養状態良好」

8〜11:「低栄養のおこれ」

0〜7:「低栄養」

※これだけだとMNA®SFになります。

MNA®FFをやる場合は、アセスメントへ

【12項目のアセスメント】

G.自立してる?(施設、入院してない?)

H.4種類/日以上薬飲んでる?

I.体のどっか押すと痛い?

J.1日に何食食べてる?

K.どんなたんぱく質どんくらいとってる?

L.果物or野菜とってる?

M.水分とってる?

N.食事介助必要?

O.栄養状態自己評価してみて!

P.同年代の人と比べて、自分の健康どう?

Q.上腕周囲長は?

R.下腿周囲長は?

 

最大16ポイント

6項目のスクリーニングと12項目のアセスメントの点数を合せて低栄養の評価が出来ます。

【低栄養の評価】

最大30ポイント

24〜30:「栄養状態良好」

17〜23.5:「低栄養のおこれ」

17未満:「低栄養」

 

って感じです。

 

  ​MNA®️見て思う事

 「簡易」と言うだけあって、質問内容は簡単ではっきり点数化できる内容ですよね。

そして当たり前のように上腕周囲とか下腿周囲が入ってるところを見るに、栄養評価において「筋力」はかなり重要視されてるんだなぁと思います。

 

逆に、血液検査値が1つも入ってませんで。

低栄養の指標とするには、別要素が入り過ぎてしまうからなんでしょうかね?あとは採血必須になってしまうのも大変って事なのかなぁ…。

ともかく、単純に「低栄養の評価」としてスクリーニングするにあたっては、そこまで重視されてないような気がします。

 

 

 

MNA®のSFかFFについて。

これ「どこまでやったらいいんじゃい」って思うけど、とりあえずやるとしたら、SFまでかなぁ…。(GLIMにも書いてあるし。)

そもそもGLIM基準のやつは、低栄養のリスクがある人に素早く介入することが出来るようにって目的でやってますよね。

大事なのは「スピード」かなぁとは思うので、簡易的なSFでも介入出来ればいいかなぁと思います。

 


これはとりあえずはやってみなきゃだけど、それぞれの項目をみると出来そうだけど、なんか導入大変そうだな~(やだやだ。笑)

 

 

あと気になるとこっていったら、GLIMのアセスメント部分とMNAのアセスメント部分、全然違いますよね〜

違う部分いくつかあるけど、決定的に違うのは、GLIMの方はわざわざ患者さんに聞きとりしなくても分かりそうなとこよね。(MNAは摂取頻度系や自己認知を確かめるような設問ある)

 

似てるのは血液検査を必要としなくて、筋肉量を重視してるとこくらい。

 

 

こういうのを見比べてると、なんとなくやりたいことが分かってくるような気がしますね。

  まとめ

 

今回の話の要点としては

  • GLIMめんどいけどやんなきゃなんない
  • その中のスクリーニングツールは検証されてるものを使うらしい
  • MNA®というのがあって、スクリーニング6項目とアセスメント12項目からなる
  • これで分かるのは、栄養状態の評価
  • 食事や運動、精神面、筋力など様々な角度からみる

 

次回はMUSTでもやりますね。


参考文献

 ・MNA®︎

https://www.mna-elderly.com/sites/default/files/2021-10/MNA-japanese.pdf

(閲覧日:2024.4.9)