検証された栄養スクリーニングってなんぞ?〜MUST〜 | 気ままな管理栄養士の勝手にアウトプット

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今までで学んだこと・復習したいこと等を気ままにアウトプットしていきます。
※ほんとに気ままに発信しているので、参考になるかどうかはご自身で判断下さい。(責任は負いかねます…。)

ここ最近は診療報酬でGLIM基準が出てるので、関連した記事を連続しています。

 

前回はGLIMで使える検証されたスクリーニングとしてMNA®︎のことをやりました。↓

 

 

 

そして今回はMUSTもやってみます。

 

本記事は、筆者が独自で調べたものに加え、管理栄養士として働いた経験を併せたものです。出来る限り根拠のある情報を心がけていますが、筆者自身の誤解や知識不足により間違いがあるかもしれません。この記事を見てそのまま何かに活用したり、判断したりすることはオススメしません。

 

  MUSTとは?

 Malnutrition Universal Screening Toolの略で、「Malnutrition」が低栄養って意味ですね。

そんでuniversalなtoolって書かれてますが、英国静脈経腸栄養学会で作られたらしいやつです。(へーって感じ。笑)

 

MNA®︎とかと比べると、さらに簡便なツールみたいで…

 

では早速中身をみてみましょう。

 

  MUSTの中身

 BMI、体重減少、急性疾患の3項目あり、それぞれ点数化して栄養リスクを評価します。

 

●BMI

 >20:0点

 18.5〜20:1点

 <18.5:2点

●体重減少

 過去3ヶ月〜6ヶ月

 <5%:0点

 5〜10%:1点

 >10%:2点

●急性疾患

 急性疾患+5日以上ほぼ栄養摂取なし

 無し:0点

 有り:2点

確認することは以上。

これだけで点数化して、評価できるんですね~(簡単で良い。)

【合計】

0点:低リスク(標準的なケア)

1点:中リスク(要観察)

2点:高リスク(栄養介入が必要)

 

そしてこの点数化した評価で、中リスク・高リスクではさらに情報収集し、栄養介入していく感じみたいです。

 

  MUST見て思うこと

何度でも言いますが、とにかく簡単なのが良いですよね。

 

病院ではどの職種も忙しいと思いますけど、管理栄養士もそれなりには忙しいと思いますので。

 

ただかなり簡単なので「これで大丈夫かいな?」とは思いますけど、BMIに体重減少に急性疾患…。

即介入したい人を抽出するためのスクリーニングとしては、私はいいんじゃないかなと思います。(というか検証済ですもんね。笑)

 

これは大変申し訳ないとは思うんですけど、患者の皆さん、全員じっくり考える余裕ないのも正直なところで。

もちろん全員栄養マネジメントはしますけど、どうしても優先順位つけなきゃいけないのでね。なので、簡易的なものは万々歳。




あと1個思ったのが、BMIの基準で18.5〜20で1点つくとこですね。


20以下の区切りってあまり見たことないんですけど、思いつくこととしたら、高齢者では21.5位以上で総死亡率が低いこと。あとは、他の2つの指標と合わせて見るときに、BMI18.5以下ではなく、少し間見てるのかなぁなんて。(ただの予想なので、信じないでくださいね。笑)


設定理由見つけられませんでしたが、もし見つけたら追加しときます。

 

  MSTってのもあるらしいよ

MUSTの栄養スクリーニングを調べてると出てくるMST…。

「あっ、U付け忘れちゃったんだね〜。」じゃないんです。ちゃんとあるんです、UなしのMSTが。笑

 

これはGLIM基準で「検証されているスクリーニング」としては書いていないので、使うことはないとは思いますが、さらっとだけ紹介しときますね。

一応ね

MSTはMalnutrition Screening Toolのこと。(MUSTのUniversalがないバージョンです)

食事摂取量と体重減少に関する項目からなる、低栄養のスクリーニングです。

2つの問診のみなので、超ラクです。

 

【MST】

●最近意図しない体重減少があるか?

 いいえ:0点

 分からない:2点

◎上記で「はい」の人、どれくらい体重減った?

 0.9~6.3kg:1点

 6.4~10.7kg:2点

 10.8~14.9kg:3点

 >15以上kg:4点

 分からない:2点

●食欲低下が原因で、食事摂取量が減ってる?

 いいえ:0点

 はい:1点

たったこれだけで評価

【合計】

0~1点:食事量が多く、体重減少はない

2~3点:食事量が少ないため、最近体重が減少した。

4~5点:食事量が少なく、最近体重が減少した。

 

こんだけでした。


気になるとこでは、体重減少してるけど食欲低下が原因ではない場合は低リスクになるのかな?とかちょっと思いますが…。(まぁ普通体重減少あれば、ツール使わなくても引っかかるからいいのかな?)

 

これもめちゃくちゃ簡単ですね。


  まとめ

 

今回の話の要点としては

  • GLIM基準のはじめにスクリーニングが必要
  • 必要なスクリーニングツールは、検証されてるもの
  • 例えばMNAとかMUSTとか
  • MUSTはBMI、体重減少、急性疾患で評価
  • MSTってのもあって、MUSTとは違うよ
  • MSTは検証されてるスクリーニングには入っていないみたい

 

もともとやってるやつだったら苦労ないんですけどねー

GLIMもMNAもMUSTもどれもやって来てないからねー

 

同じようにやった事ない方は、今後おそらくどこでも必要になってくると思うので、諦めてGLIMやりましょう。笑

 

出典


・当サイトの記事


(閲覧日:2024.4.11)