12冊目「娘が巣だつ朝」伊吹有喜 | 本と旅と日々の出来事

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タイトルどおり、結婚して巣立っていく1人娘を見守る夫婦のほのぼのとした話かと思いきや。
なかなかビターで、もどかしい苛立ち感じながらの熟年夫婦のリアルがそこにありました。

まず、格差婚って嫌な言葉だけど格差ありすぎな両家の結婚式までの道のりがもう無理でした。
彼ママが特にくせ者すぎて、結婚したら嫌でも漏れなくこのくせ者がついてくる!悪気ないからって思った事何でも口に出していいわけないんだよ。
彼氏も金持ち息子特有の現実味のなさ、夢見る男で結婚って現実しかないんだよ、と言いたい。

そして、話の大半が結婚式に向けての流れ、そんなに式に力入れる?って思いと同時に話の展開がゆるくて、もう式の事はいいから早く先へ、と言いたくなる中盤までを過ぎたあたりから不穏な雰囲気になっていきます。
娘にとっては優しい良き父親でも、妻にとってはタメ息ばかりついていつも不機嫌撒き散らす夫、暴力や暴言なくてもいつも不機嫌な夫は一緒にいて徐々に心が死んでいく、みたいなくだりがありました。不機嫌ハラスメント、フキハラ、静かな暴力じゃ?
寝室をいつまでも一緒にしてないで、早く夫婦それぞれの個室を分けてある程度の距離感を持つこと。これが1番大事、と改めて教えてくれるような話でした。