おはようございます。
イケメンです。
真夏の食中毒の危険性が増す季節になりました。
気温が高く食材が腐りやすい、傷みやすいという事ですね。
作り手のボク達の衛生管理も頑張っていますが、消費者の皆さんの協力も必須です。消費期限内に食べる、保管温度を守って頂くなど。
我々の手を離れたお弁当の管理は、お客さまに任せるしかありませんから。
そこで今日は、そもそも腐敗や傷みってどういう状態なのさってお話しからスタートです。
「食物や料理が傷む」
お家で料理を作っている方には、比較的わかりやすい感覚です。
ところが、自分で料理を作らない人や、出された物を食べているだけの人には理解しにくいのです。
食べられない物は表に出てきませんから、そもそも見たことが無いのですけどね。
話はちょっとさかのぼります。
ボクが外食チェーンで店長やエリアマネージャーをやっていた頃。
中途採用の社員が、数多く入社してきました。
多くは飲食業が初。異業種から飛び込んで来るのです。
こういった人たちに、飲食業のいろはから教えるのがボクの仕事の一つでもありました。その中で一番難しかったのが、「食品が腐っている状態」を教える事。
料理の作り方は、レシピや作業工程表で再現性があります。
が、食品の腐敗で「こうなっていると食べられない」、「こうなるとお客様に出しちゃだめ」という基準は、現場でなかなか他人に伝え辛いのですね。
例えば、情熱弁当のような食の事業者は、定期的に管轄の保健センターが商品の菌検査にやってきます。
お弁当を持ち帰り、専門機関で検査してもらいます。
結果が出る前に、だいたい1週間くらいかかるそうです。
結果はこんな感じで帰ってきます。
食中毒や腐敗の原因となる菌は、目に見えません。
「専門機関で調べてもらわないとわからないから、どうしようもないよね」
いえいえ、ちょっと待って。
我々料理の作り手は、日々五感を使ってチェックするのです。
理屈より五感を!
家庭でもできる、自分で作った料理や買ってきた料理のチェック方法ですよ。
【臭い】
食物が腐ると、酸っぱい臭いや腐敗臭がします。
ボク自身も、仕込んだ料理を盛り付ける前は臭いを必ずチェックします。
オープンキッチンの飲食店などでは、お客さまから見えない場所でね。
【味】
口に含んでみて、変な味や酸味がないか、本来と違う味はしないかをチェックします。
万一傷んでいた場合は、飲み込まずに吐き出して口内をすすぎます。
【触感】
触ってみてぬめりがある、持ち上げると糸を引くなどの異変がないかをチェックします。(素手で触った物は元に戻さないでね。)
【見た目】
カビが生えていないか、変色していないかと外見の異変を探します。
【液体や煮汁】
タッパに保管してある煮物の汁や、ペットボトルで保管している液体など。
傷んでくると液体自体が濁ったり、表面に泡が浮いていたりしますよね。
軽く容器を振って泡立てると、その泡が消えなかったりします。それ、雑菌が繁殖していますよ。使っちゃダメ。
『怪しいかなと思った時は、捨てる勇気を。』
食べ物を捨てるのは、もったいないですよね。
でも、腐敗した物やその疑いがある物は、勇気を出して捨てましょう。
それが自分で作った物でも、買ってきた物でもです。
無理に食べて、お腹や体調を壊す。
傷みを堪える羽目になるくらいなら、食べないほうが良いからです。
腹痛程度ならまだしも、最悪は人の命も奪う可能性がありますからね。
お家でやってほしい「腐敗の共有」
先にも書きましたが、物が腐るとか傷むって、それを実際に見ないとわからないのです。
例えば冷蔵庫の奥に入り込んでいた、7日前のお惣菜を発見したとします。
色も変わって変な臭いがしているとしますよね。
当然、もう食べられない。
最初に見つけたお母さんが、そのまま捨ててしまうのではなく、最後に一仕事してもらいましょう。
「こういう臭いがしたら食べちゃだめよ」
「触ってぬめっとしたら食べちゃだめよ」って、
ご家族と腐敗の経験を共有して欲しいのです。
食材としては無駄になってしまいましたが、知らない人には経験として有益な物となります。
毎日愛妻弁当を持って出勤するお父さんにも、将来家を出て一人暮らしをするお子さんにも役立つのですな。
食の安全というと、
農薬がダメとか放射能が危険とか。
食品添加物は悪で、人工甘味料なんてけしからん。
そんな話が最初に来ます。笑
でもね、食の安全をおびやかす、最も身近な食の危険は「食中毒」ですよ。
農薬や食品添加物よりも、ずっと前から存在していますから。
このブログ記事をきっかけに、「これは傷んでいないかな?」と、食べる前にふと思い出してくださると嬉しいです。もっとも、一番気をつけなければいけないのはボクなんですけどね♪